デパートの福袋予約の電話を受けバイト

私は大学生のとき、地方デパートの福袋予約専用電話を受けるアルバイトをしたことがあります。このアルバイトがとても暇で楽な仕事だったことから印象に残っています。
大学の求人情報を集めた掲示板にてデパートの年末商戦応援の募集を見て、面接に行きました。面接では勤務希望時間や勤務可能日などを聞かれ、その日のうちに電話で採用連絡がきました。
アルバイト当日、集合場所に到着すると採用された何人かのアルバイトたちが集まっていました。全員集合したところでデパートの裏手にあるプレハブのような簡素な作りの建物に移動しました。そのプレハブのような建物には、電話が10数台置かれ、数人の女性スタッフが受話器を受けながら作業をしていました。
その電話が並ぶ室内のなかで私はいちばん端っこの席に案内されました。そして、福袋の予約専用電話を受ける作業をして欲しいと伝えられました。私がアルバイトをすることになったそのデパートでは、福袋はお客様のご自宅に直接発送されるスタイルであるため、お客様がデパートに直接買いに来る必要はありませんでした。商品はあらかじめカタログに記載されており、数種類の福袋が用意されていました。
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私がそこで課せられた仕事は、電話が鳴ったら注文を聞くというものでした。
氏名、住所、電話番号を聞き取ってその情報を専用の注文票に記入していくのです。
福袋の予約電話は1台のみで、残りの電話は全てお歳暮の予約用電話になっていました。
お歳暮の予約用電話はかなりひっきりなしに電話が鳴る状態で、一度電話が鳴るとたくさん注文される方が多いようでした。ですから、皆さん大変忙しそうにされていました。
一方、私が担当した福袋予約の電話はというと、ほとんど鳴ることはありませんでした。どれくらい電話が鳴らないかというと、平日の夕方4時間の勤務中、多くて3回、少ないと1度という頻度の低さくらいでした。あまりに暇すぎるので、仕事をしているんだか休憩しているんだか分からない状況でした。
滅多にかからない電話であるため、電話がかかり注文があると嬉しくて大変愛想よく電話に出ていたことを思い出します。また、やっと注文が入ったと思ったら、数時間後にキャンセルの電話が入ったこともありました。そんなときも注文件数としては0件なのですが、電話することができただけで嬉しかったことを覚えています。
あまりにも暇でやることがなかったため、アルバイト開始から数日経った後、担当者に「お歳暮の電話を手伝いましょうか?」と申し出ました。しかし担当者からは「福袋の電話に集中してくれれば大丈夫ですよ」と言われ、結局は一人、なかなか鳴らない電話の前にただ座っていました。
初めは暇で暇で、電話が頻繁に鳴るお歳暮の電話係たちのことをむしろ羨ましく思っていました。ただ、仕事に慣れるにしたがって、こういう暇な時間も良いものだなあと思えてくるようになりました。勤務時間中、私はほぼくだらない空想や考え事をして自分なりに有効に時間を潰していました。
休日でも電話の件数が増えることはありませんでした。休日は平日が4時間に対し、8時間勤務だったので、さすがに暇で暇で仕方ありませんでした。午前中は社員食堂で昼に何を食べるかを何度も何度も考え、午後になるともう考えることもなくなりぼーっと窓外の景色を見て過ごしていました。
そんな仕事ぶりの何が評価されたのかわかりませんが、アルバイトの期日が終わる12月末、来年の4月からデパートの正社員として就職しないかと誘われました。しかし、あまりに仕事をしている実感がなかったこともあり丁重にお断りしました。
     (楽なアルバイトの体験談 30代女性)

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