老舗ホテルでの着物商談会バイト体験談 

これは私がまだ大学に在籍していた頃の話です。私の通っていた大学では、学生課の求人掲示板にバイト求人が掲示してあったので、時々のぞきに行っていました。ある日、その求人掲示板見つけたのが、研修2時間プラス2日(日給8000円)のアルバイトでした。当時学生の身からすると、日給8000円はあまりに魅力的でした。しかも場所は大学のすぐ近所だったので迷うことなくその場で応募しました。
さて、私がその2日間の短期アルバイトをすることになった場所とは、皇族の方や外国からの賓客もお泊りになることがあるという、古い木造のホテルです。重厚な黒光りする木部に目にまぶしく感じるぐらいの白壁。中に入ると緋毛氈…!地元にあるホテルだから…という訳でなく、私も含め一般人がまず一生泊まれることのなさそうな高級感あふれるホテルです。
その老舗ホテルでの短期アルバイトの仕事内容は、反物の包装でした。ホテルで催される着物商談会のお客様がお買い上げになった反物を包装をするのです。
まずアルバイトがはじまる前日に研修がありました。そこでは、仕事内容である、包装の仕方を習いました。包装…といっても、難しいことは一切ありませんでした。というのは、反物は巾が一定で、箱はワンサイズ、もちろん包装紙のサイズも1種類だからです。ですから、少し練習したら、もうあとはまるで熟練者のごとく包装がサクサクできるようになってしまいました。
a0001_012374.jpg
いおいよアルバイト当日がやってきました。着物商談会の会場がオープンする1時間前に現地に集合しました。前日の研修で既に包装の要領はつかんでいましたし、他に特に何をすることもなくアルバイトスタッフの控室で待機となりました。
そしていよいよ勤務時間がスタート。気楽に思ったのは、私たち包装係のアルバイトは作業台を前にして、独立したスペースをもらっていたこと。他の係の人への遠慮も不要で精神的にも楽だと感じました。またそこでは、友人のアルバイトスタッフと小声でお喋りをしていても全く問題ありませんでした。
会場に来るお客様は、かなり裕福そうな方ばかりでした。着物の目も肥えていらっしゃるのか、商談自体を楽しんでいるような方も見受けられました。出来上がった着物を買う訳ではなく、反物を扱っているので、それをほどいて肩に宛てたり、鏡を見たり。和服姿の接待係は、巧みに高価な反物を差し出します。その一方で手だけは反物をするすると手品のように巻き戻します。そんな会場の様子を見ているだけでも楽しく思いました。
そして、ようやく商談がまとまると、お会計の担当者から箱に入った反物が回ってきました。私達包装係の出番です。バーゲン会場などとは違うので、売れ行きもちょうど良い(のんびりした)ペース。素人学生が丁寧に包装するぐらいが、場の雰囲気にもマッチしていました。研修で習った通り、特に問題なく包装をすることができました。
この老舗ホテルでの着物の商談会での反物包装のアルバイトは、浮世離れしていて、別世界の雰囲気を味わうことができたように思います。ですから、今でも鮮明にその日の出来事が記憶に残っています。このアルバイトで印象的だったのは、もう一つあります。それは、お昼用にホテルのレストランを利用できる「食事券」をもらえたこと。「食事券」は二日ともカレーライスでしたが、由緒正しく歴史あるホテルのレストランのカレーはやはりおいしかったです。今まで食べたなかで一番おいしいビーフカレーでした。
         (楽なアルバイトの体験談 50代女性)

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

関連コンテンツ

関連コンテンツ&スポンサーリンク



スポンサーリンク