趣味を堪能しお金にもなったバイト

今までで一番楽で働きながら幸せだなと感じたのは、古本屋のアルバイトです。
その古本屋は、ブックオフのようにチェーン展開している大型店舗ではなく、いわゆる町の本屋さんという感じの、おじいさんが一人でやっているこじんまりとした店でした。
読書が大好きだった私は、最初は古本屋の一利用客でした。何度も通ううち、会計の時に店主であるそのおじいさんと会話することが増えていき、ある日、アルバイトの誘いを受けました。
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そのアルバイトの内容は、主に店番と店内の掃除をするとうものでした。本当に小さな古い古本屋だったので、掃除をするといっても開店前・閉店後にホウキで簡単にはくくらいと、たまに本にハタキをかけるくらい。
大抵は店番として、古本屋に到着するとレジの前に座っていました。客が来ない時間帯は、店内の漫画や本を自由に読んでいいことになっていました。そこで、レジ前にスタンバイする前には、古本屋の店内を物色して、めぼしい漫画や本を数冊確保するのが習慣になっていたのを覚えています。
チェーン店のような豊富な本の品揃えとは程遠かったためか、その古本屋の利用客は少なく、お客が来ない時には何時間も店内に一人きりという時もありました。店主のおじいさんは、趣味人でしたので、古書の仕入れなどに力を入れるよりもむしろ、趣味の釣りなどに出かけてしまっていることが多かった感じでした。
古本屋のレジも旧式のもので、会計は電卓も使っていました。ですから、ほとんどお金の出し入れに使っている金庫がわりのような存在でした。こんなに暇で楽なアルバイトである上に、読書が趣味の私にとって、その古本屋のアルバイトは天国のようなアルバイトでした。働きに行っているというよりむしろ、本や漫画を読みに行
っているような感覚で・・今となっては申し訳ないような気持ちもします。
その古本屋は買い取りも行っていました。買い取りに関しては少々やっかいですが、それほど件数は多くありませんでした。また、どの種類の本をいくらで買い取りするかという一覧を預かっていたので、それを見てわかる範囲で対応することができていました。チェーン店のように、大量の本を一度に持ち込んだり、希少本を直接持ち込むといったケースはほぼ皆無に近い古本屋だったので、知識などいらない楽な仕事であることに変わりはありませんでした。
その古本屋でアルバイトをしていた当時、私は学生でした。休日などは開店から閉店までほぼ1日中店番としてお店にいたこともありますが、とにかくそういう暇で楽な古本屋でしたので、することがないのが逆に困るくらいだったのを覚えています。あまりに暇を持て余して、本の整理をしたり、古本屋の窓をぴっかぴかにみがいたりしていたのを思いだします。
その古本屋は、店主のおじいさんが体を壊したのをきっかけに閉めてしまいましたが、今でもその古本屋でのアルバイトの日々はいい思い出になっています。
                             (30代女性)

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