マンガを読みお客を待つ楽なバイト

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ずいぶん前の話ですが、趣味も兼ねてやっていたアルバイトがとても楽ちんで印象に残ってます。
それは当時でさえ珍しかった「貸しマンガ屋」のアルバイトです。マンガを取り扱うといっても、マンガ喫茶ではなく、レンタルコミックのお店です。
その「貸しマンガ屋」は、40代の主婦が経営する個人のお店でした。私は最初、その「貸しマンガ屋」にお客として通っていたのですが、ある日、店頭の貼紙でアルバイトを募集しているのを発見し、応募に至りました。
今考えても、その募集広告を見つけたのはラッキーだったなと思います。
で、その「貸しマンガ屋」がどういうお店だったかといいますと、クリーニング店ぐらいの大きさの小さな店内に、ザッと2万冊ぐらいのマンガが並んでいるわけです。少女マンガから青年マンガまでが幅広くそろえられていて、それを来店するお客に貸し出すというのが業務の内容です。
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オーナーは主婦業が専業で、その「貸しマンガ屋」はプロフェッショナルにやっているというよりも、彼女の趣味の延長線でやっている感じでした。
ですので、そろえられている本も彼女の趣味が色濃く出ていました。もちろんメジャーなマンガも置いてありましたがマイナーなマンガも少なくなかったのです。
お店はいつも店番1人体制で待機し、お客が来たときのみ対応。対応といっても、図書館のようなお客様カードに記入し、お金を受け取るというだけの簡単なものです。
あとは、初めて来店されたお客様に対しては、新規でカードを作り、簡単に店内の説明をするくらいでした。他に何もすることはなく暇だったので、マンガを読んで過ごしていました。
なお、お金を扱うといっても、1冊1泊70円という少額のレンタル料です。ですから、から1人でいても危険なことなど起こりえないだろうという安心感もありました。
勤務時間は10時~20時でしたが、1日に来るお客の数は大体30人ぐらいのものでした。店内に自分以外に人がいない時間が長く、ほとんど何もすることがなくて、ただひたすらマンガを読んでいました。
ただ、さすがに時給は600円と他のアルバイトに比べると前代未聞の低さでした。今でしたら最低賃金を下回りますのでアウトかもしれません。ですが、マンガ好きの自分にとっては、お金をもらわずともやってもいいぐらいの楽ちんで楽しい仕事でした。
私はその「貸しマンガ屋」のアルバイトを6年ぐらいやりました。そのアルバイトの期間中、当時流行っていたマンガはほぼ全てこの店内で読みました。とにかく暇な時間が膨大にあったたため、いろいろなマンガに手を出し、それまで読んだことのなかった少年漫画や青年マンガの面白さも知ることができました。
私がアルバイトをしていた期間の終盤は、その「貸しマンガ屋」のお店は経営困難に陥り、クリーニング屋も併用するようになったことで、仕事内容は少しはアルバイトらしくなりました。ただそれから2年後、店は閉店し。今現在は淋しいことに、その「貸しマンガ屋」はもうありません。
私はその「貸しマンガ屋」を辞めた後、マンガ喫茶でアルバイトをやりましたが、3ヶ月ほどで辞めてしまいました。その理由は、忙しくてしんどいと感じたからです。どうも、この「貸しマンガ屋」の仕事があまりに楽で暇だったため、マンガ喫茶の忙しい仕事内容はハードルが高かったようです。
そんな私も、今では根性を出して、今は普通に働いています。ただ、今でもあんな暇で楽ちんなお店があれば働きたいと、時々思い出すことがあります。               (40代女性)

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