夢のような留守宅番人バイト

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私は今までさまざまなアルバイトをしてきましたが、そのなかで、「一番楽ちんなアルバイトをした」といえば、学生時代にした留守宅の番人をするアルバイトでした。
それは、あるお金持ちのご夫婦が長期で海外旅行に出かけたときの「お留守番」アルバイトです。当時所属していたスポーツクラブに色々と援助をしてくれていた会社経営をしているお金持ちの方から頼まれたアルバイトでした。
私は当時、大学生だったのですが、大学は夏休みに入っていたのと、家庭教師のアルバイトしかやることもなかった私は二つ返事でそのアルバイトを引き受けました。
アルバイトの契約期間は2週間。どうしてそのご夫婦が私にそのアルバイトを依頼したかというと、家が長期不在だとわかると泥棒が入るのではと気になってしまい、せっかくの長期のバカンスが台無しになるからというものでした。
正直なところ「大げさだなあ」と思いましたが、実際にそのお家にお邪魔をしてみると納得。何軒分かと思うほど長く続く高い塀にお城かと思うような立派な門…門を入っても玄関など見えず木立の間を歩いてようやく玄関に辿り着くような邸宅でした。
応接間に通された私は「こんな広い家を自分が守るのは無理かも…」と不安を感じだしていましたが、それが表情に現れたのかお金持ちは言いました。「遠隔監視の警備システムに加入しているから大丈夫だよ」。
つまり、仕事の内容は「家にいるだけ」!寝泊りはもちろん、食事は台所を自由に使ってもいいし出前を注文しても全て支払いをしてくれるとのこと。シャワーも寝室もゲスト用の立派な部屋を使わせてくれました。
我が家の10倍はあろうかという邸宅で、リビングだけでも間違いなく我が家1軒分。そんなゴージャスな空間にいるだけでお金にまでなるという夢のようなアルバイトは他にないのではないでしょうか。仕事内容もとりわけ特記することもなく「ただ日常生活を送る」だけ・・。
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朝、3人は並んで眠れるであろう大きなベッドで目覚めます。
その部屋の3畳ほどもある洗面室で歯磨きをし、大きなバスタブを備えたお風呂でシャワーを浴びます。
長い廊下と螺旋階段を下りて台所へ行き、前日に届けてもらったパンで朝食をとり、ベッドかと思うほどのソファーに寝転がるのです。そして、映画館のようなスクリーンでテレビや映画を見て、宅配ピザで昼食を取り、巨大ベッドで昼寝。
昼寝から目覚めると、一応は見回りをかねて庭を散策し、自転車で10分ほどのところにある高級スーパーで必要なものを買い物し、ビールとワインで夕食をとってから巨大ベッドで眠る…
そのように、普通の日常生活の「食う・寝る・遊ぶ」を、非日常的な超高級の空間で過ごした2週間でした。また、その期間、大学ゼミの資料作りなど学生の本業にも取り組むこともできました。
アルバイト契約最終日の2週間後、そのお金持ち夫婦が帰宅し、その日で私のゴージャスなバイトは終了。「少し太ったね」、そう言われ笑顔のお金持ち夫婦は、私にバイト料と海外旅行のお土産を手渡してくれたのでした。
                 (40代男性)

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