油揚げ工場でのバイトの体験談

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私は現在40代の主婦です。今から20年近く前、京都に住んでいた時の話です。当時の私はまだ20代で結婚をしてまだ長男が赤ちゃんでした。家計の事情から保育園にもあずけることが難しかった状況下において、生活費を何とか稼ぐ必要がありました。私が働ける時間は、夫が家にいる時間に、長男を預けて仕事に行くことができる時間帯しかありませんでした。
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どうすれば働けるかと思案していましたところ、早朝の時間帯に出勤できる、油揚げ工場での求人を偶然見つけました。その油揚げ工場での勤務時間は、早朝4時から6時までの2時間。時給は800円でしたので、一日1600円稼げるということになります。一ヶ月25日間働けば、40000円になり、ここしかない!と思い、同じマンションの奥さんと二人で応募しました。幸い2人とも無事採用となり、3時30分に起きて、油揚げ工場に自転車で通うアルバイト生活が始まりました。
アルバイト先の工場では大きな機械を使って油揚げを製造していました。揚げあがった油揚げが、熱いまま網のベルトコンベアーに乗って流れてくるようになっていました。私達はその流れ作業中に油揚げを拾って、四角い麹に並べるという作業をすることになりました。
皆が油揚げを拾う場所は、比較的大きな場所で、皆がそれを囲んで一斉に拾い上げるというものでした。作業している人は女性もいれば、男性もいました。年齢層はおじさん・おばさんばかりでした。
仕事内容は地味で本当に油臭い、実に面白みのない作業的な仕事でした。ただ、人間関係がとても楽で働きやすいと私は感じました。私と友達は当時20代でそのアルバイト集団の中では最も若い世代でした。ですからとても可愛がっていただけたのです。
ちなみに、その工場がどれくらい油臭かったのかというと、それはそれは凄まじいものでした。工場内中で高温で挙げられた油揚げの匂いは大変なもの。その匂いが工場の内部で充満していただけに、最初は倒れそうなくらいきつかったです。服にも髪にも、あげくには、肌にまで染み付くのではないのかと思うほど、強烈な油揚げの匂いに2時間も浸りきった私たち。ただ、幸い、アルバイトの勤務が早朝なので帰り道では誰にも会うことなく帰宅することができました。
自宅に帰ったら、速攻シャワーを浴びなければ、とても家族と会うことすらできないほどの匂いでした。夜、お風呂に入って、早朝にはシャワーをする。そんな面では結構大変なアルバイト生活だったのですが、若かったのでこなしたのだろうと思っています。そして何よりも、工場での人間関係が楽で、ストレスがなかったので、とても勤めやすかったです。
その油揚げ工場では数年アルバイトをして、長崎に引っ越しをしたときに辞めました。もうそれから20年近い歳月が流れますが、私にとってとても大切な思い出です。一緒に働いたおじさん、おばさんがもし健在でおられたら80歳~90歳におなりだろうと思います。当時のあたたかい会話を思い出すだけで涙が出そうです。油揚げ工場でのアルバイトは人間関係が楽で本当にありがたいアルバイトだったと今になってはしみじみ思います。
   (人間関係が楽なアルバイト体験談 40代女性)

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