簡単で楽すぎる!交通量調査バイト

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「どんな仕事も厳しいぞ」「社会でお金をもらうってのは甘くないぞ」と子供の頃、祖父から幾度となく聞かされてきました。しかし、自身が成人していざアルバイトをしてみたところ、それは合っている部分もあり、そうでない部分もあることが分かりました。
叔父の言っていることが合っていると感じたのは、大学生になって初めてやった引っ越しのアルバイトが超過酷だったこと。腰が抜けるほど重たい荷物をかついで、エレベーターのないマンションの1階と4階を何度も往復。ヤンキー風の怖い先輩に「ちんたら運ぶなよ!しばくぞ!」などと1日中怒鳴られっぱなしで、精神的にも肉体的にもボロボロになりました。日給1万円稼ぐというのは、これだけ大変なものなのか・・じいちゃんが言ってたことは本当だったんだな・・と家に帰ってボロボロ涙がこぼれました。
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しかし、それから数週間後、「いやいや、じいちゃんが言ってたのは間違っているぞ」と思う出来事がありました。
それは大学生活にも馴れ始めたころ、サークルの友達から「楽なバイトあるんだけど一緒にやらへん?」と誘われた交通量調査のアルバイトの経験でした。
友人によると、その交通量調査のアルバイトは、1日だけの単発バイト(12時間調査)で日給は交通費込みで1万円ももらえるとのこと
「調査?そんな学術的な感じがするバイト、俺には無理やわ。それに日給1万円ってめっちゃキツイんちゃうの?」と最初は断ろうとしていたのですが、日程も空いていたのでやってみることにしました。引っ越しバイトをしたときの日給と同じちょうど1万円だったので、そのときの辛さが脳裏をよぎり不安を感じました。ちなみに友人が交通量調査のアルバイトを見つけているのは「アルバイトEX]といういろいろな媒体の求人情報を集めた求人サイトです。
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事前に2時間ほどの説明会があった2日後、いよいよアルバイト当日がやってきました。集合は朝6時に指定された駅前です。まだ辺りが暗い時間。駅前に男ばかりの怪しい集団が集まっていました。中年男性が中心で、あきらかに高齢者の部類に入る人も割といました。現場監督の人が点呼をとり、数人ごとにハイエースに分乗して調査地点に移動しました。
調査地点は県道の交差点とのこと。5分ほど走ると、ハイエースは停車しました。「あそこの交差点が1つ目の調査地点です。では3人降りてください」。ドアの近くに座っていた私と、誘ってくれた友人、あとは60代の初老の男性が下車しました。現場監督の人は手際よく、ハイエースの後ろに積んでいた機材(パイプ椅子や車を数えるカウンターなど)を取り出して交差点の横の歩道の一角と、そこから10mほど離れた地点に機材を置きました。
「では、この2地点で皆さんには調査してもらいます。7:00になったら調査を開始してください。こちらが記入用紙です。何かご質問ははありますでしょうか?」
友人が質問しました。「この道を直進する車と左折する車をカウントしたらいんですね。」「はいそうです。おひとり目の方は、直進する車と左折する車、もうおひとりの方は右折する車と向こうに走っていく車を数えていってください。では、よろしくお願いします」と現場監督。そして、他の調査員数名を乗せたハイエースに戻り去っていきました。
この交通量調査は、3人で2地点での調査を行うというスタイルでした。ひとつの地点に調査員は1名配置するので、常に1人はあぶれるわけです。その間、そのひとりは何をしているかというと「休憩」です。12時間調査というと、かなり長丁場になるという思われがちですが、実質的にはその3分の2が実働時間ということになります。
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3人であれこれ話をしているうちに、調査開始時間の7時が迫ってきました。友人は数回の調査経験が、初老の調査員は何と100回以上も調査経験があるとのこと。私は未経験者ということで、まず2時間調査をさせてもらい、後ろで友人に見てもらいました。
時計を見ると7:00をまわりました。いざ調査開始。人生初の交通量調査バイトということで、さすがに緊張しましたが、友人が後ろで見てくれているのでもし何かあったら助けてくれるだろうという安心感はありました。
交通量調査の仕事は専用のカウンターを使ってひたすら車の台数をカウントしていくというものです。そこでは車種による分類も行います。1時間経過するごとに、そのカウントしたそれぞれの台数を記録用紙に記入していきます。車種分類といっても難しいことは全くありません。「一般乗用車」、(軽トラックなど)「小型貨物車」、(大型トラックなど)「大型貨物車」、「バス」、(バイクなど)「二輪車」の5つに分類していくだけです。例えば、目の前をバスが通ったら、カウンターのなかで「バス」と書かれたボタンをカチっと押し、タンクローリーが通過したら「大型貨物車」のボタンをカチっと押すみたいな感じです。
ラッシュ時にさしかかり、車の台数はやや増えてきましたが、とにかく車の台数を数えるだけなので全く問題ありませんでした。しかも、交通量調査はパイプ椅子に座っての作業なので、体力的な消耗も一切ありません。10分も経たないうちに、交通量調査の作業にすっかり慣れてしまいました。
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「交通量調査、めっちゃ簡単やろ。完璧にできとるやん。あとは1時間経ったら台数を記入するだけやで。ほな俺は休憩行ってくるわ」。友人は私がきっちり調査できているのを確認して休憩に向かいました。私はそれからも同じ作業を続けました。2時間が経とうとしているときに、初老の調査員がやってきました。
「お疲れさん。あと5分で9:00の交代ですな。調子はどうだい?」
「はい。順調です。それにしても交通量調査って余裕っすね。これを1日やればいいんですか?」
「そうだよ。楽勝のバイトだろ。」
そんな会話を交わしながら、8時台の車の台数も記録用紙に記入し、腕章とヘルメットをその初老の調査員に渡し休憩に向かいました。「お疲れさん。ここの道、まっすぐ行ったら、マクドがあるよ。あと、その手前の道を左に曲がったらファミマもあるよ。ゆっくり休んできなよ」
現地情報も丁寧に教えてくれたその初老の調査員に頭を下げ「では、後よろしくお願いします」と告げ、私は休憩に向かいました。休憩時間は、調査ポイントから見えないところまで離れさえすれば自由に過ごしてOKと事前の説明会で習っていました。私はマクドで朝食をとったあと、近くにある公園のベンチでスマホをいじって過ごしました。早朝ということもあって空気も澄んでいて、近くには緑があってすがすがしかったです。
休憩は1時間。交代を円滑にするためにも5分前くらいには調査地点に戻っておく必要があります。10時55分に交差点に戻ると、友人があくびをしながら、かったるそうに交通量調査をしていました。
「お疲れ。そろそろ交代の時間やな」
「おお~お疲れちゃん。完全に暇になったわ。車ほとんど通らへんし、眠くてしゃあないわ」
友人から腕章とヘルメットを受け取り、再びパイプ椅子に座って調査を開始しました。友人の話していた通り、ラッシュが終わったということもあって、車の数は激減していました。1分間に5台くらいくる車を、のんびりカウントしていきました。「気楽で良いバイトだなあ~」私は、このストレスフリーの状況に、幸福感を感じていました。仕事内容は簡単で、誰からも叱られることもなく、椅子に座ってのんびり車の台数を数えるだけ。こんな楽ちんなバイトが世間にあったとは思いもよりませんでした。
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夕方になると、少しずつ辺りは暗くなり、やがて日は落ちて、車はヘッドライトをつけて走行するようになりました。17時くらいは、車の数が増えましたが、特に問題もなく時間が過ぎていきました。そうこうしているうちに18時となり、最初に2時間連続で調査した私の調査時間は終了。19時には友人と初老の調査員も調査が終わりました。
19時になると、現場監督の人がハイエースで迎えにきてくれて、皆でパイプ椅子など機材一式を片付けました。
「お疲れ様です。今から給料を支給しますので封筒の中をご確認ください」
事前説明会でもらった領収書に印鑑を押した領収書と引き換えに、「交通量調査 日給」と書かれた茶封筒を手渡されました。中を見ると、日給の1万円がおさまっていました。事前にその金額は聞いていたのですが、こんな楽な仕事内容で本当にもらえるのか半信半疑だっただけに、軽く驚かされました。集合場所である駅前に着いたらあとは解散です。
「今日はお疲れさん。またよろしくね」と初老の調査員は笑顔で改札口の向こうに消えていきました。懐が温まった私と友人はそれから、ラーメン屋に夕食を食べに行き、今日の一日についての話で盛り上がりました。
世間にはキツくて忙しい仕事がありますが、私は交通量調査のアルバイトを通して、簡単で楽な仕事も世間には存在することを知りました。引っ越しバイトでもらった1万円、交通量調査でもらった1万円。金額こそ同じですが、その仕事内容を比較した時、比べものにならないほど後者の方が割りが良かったです。
ただ、交通量調査のアルバイトは、真夏日や真冬の時期は過酷なバイトに一変するそうです。まあ考えてみたら当然のことですが、屋根もない車道脇に1日中いるわけですから気候や天候の影響を直接受けるというわけです。また、初老の調査員が話していたのですが、交通量調査は仕事があまりに楽すぎるため、こればかりしていたら、他のバイトができなくなってしまうという話も意味深でした。そんな意味では、どんなアルバイトにもそれなりに一長一短あるのかもしれないなと思いました。
ちなみに、私は以降、交通量調査のバイトを気に入ってしまい何度かやったのですが「日本最大級のアルバイト求人サイト【アルバイトEX】」がいろいろな求人媒体を集めているので求人探しに重宝しています。登録して「交通量」「交通量調査」といった言葉で検索するとしばしば募集が見つかりますよ。
                    (楽なアルバイトの体験談 20代男性)

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