美術館監視員のアルバイトは暇で退屈

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私が今までやってきたアルバイト中で、一番楽だったのは、美術館監視員のアルバイトです。美術館監視員は、絵画など美術品を展示している美術館で、来館者が美術品を傷つけないかを監視する役割を担うスタッフです。
美術品の監視というと、専門的なノウハウが要りそうで大変そうなイメージを持たれがちです。しかし、実際にやってみたところ、全くそういったことはなく、拍子抜けするほど簡単な仕事でした。その仕事内容は、ずばり、ただ部屋の隅に、じーっと座っているだけだったのです!
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もちろん、監視するのが仕事である以上、美術館の監視員は何か不測の事態が起きないか、常に目を光らせている必要はあります。
ただ、美術館の来館者の多くは、教養のある年配の方々や、美術品に理解のある美大の学生で、絵画を襲撃するような来館者などまず現れませんでした。
美術館にはいくつかの展示部屋があり、各展示部屋は1~2名の監視員が配置されていました。30分おきに持ち場を交代します。なぜ交代するかというと、じっと椅子に座っているだけでは飽きてしまい眠ってしまう監視員もいるからだと先輩のアルバイトスタッフが話していました。その真偽は定かではありませんが、美術館の館内は、眠るのに程よい快適な温度、湿度が保たれているのは事実。ちょっと腰かけているだけでとにかく眠くなるのです。
30分じーっと椅子に座っているだけなのですが、眠くて眠くて・・時々立って歩き回ったりトイレにいったりしながら眠気と戦っていました。
美術館の監視員の仕事はこのように、体力も気も使和ない仕事です。なんせ、ただ椅子に座っているだけですから・・。むしろ、眠気と戦うのが仕事という感じでした。
私がアルバイトをしていた美術館では、監視員スタッフの勤務時間は8時間でした。その間、休憩が何度もあるわけで、実働時間はその約半分ということになります。まあ、実際のところ、一日中休憩しているようなものなのですが・・。
ただ、何もしないで8時間椅子にただ座っているというのは、想像以上に暇で辛かったです。だいぶ時間が経ったかな?と思って時計を見たら、まだ5分も経っていなかったみたいなことが幾度となく繰り返していました。仕事が楽ということを通り過ぎて、退屈そのものでした。その点を考えると、体を動かすことが好きな活発な方にはあまり向いていない仕事かもしれません。
美術館は土日は、人が多かったですが、平日の暇さと言ったら言葉で表現できないほどでした。土日ならば、小さいお子さんが来ると目が覚めます。というのは、子供は走り回ったり、絵の方に手を出して触ろうとしたり、ボールペンやジュースなどを振り回したりするからです。そんなときはようやく私の出番だ!と思って目が覚めていました。特に、子供がジュースなど飲物を飲みながら入館したら、絵画を損傷するおそれがあるので、見つけ次第すぐに注意していました。といっても、そういったことも本当に稀なわけですが。
あとは、ごくまれに、絵に関する蘊蓄を根掘り葉掘り聞いてくる来館者もおられ、これには困りました。私は学芸員ではないので絵の知識が全くなく、答えられず恥ずかしい思いをしました。あとは、何度も同じ世間話をしてくるご老人もおられました。こちらは相槌を打ってれば何とかしのげました。まあ、そのように人に話しかけられることもごく稀にあるわけですが、そんなときは眠さ地獄から開放されますし、対処しているうちにいつの間にか時間が経っていたのでむしろ嬉しかったです。
美術館の監視員のアルバイトを体験して良かったと思うことは、美術館内にずっといて同じ絵ばかり観ているので、「この画家の絵はこんな感じなんだあ」みたいな発見がいくつかあったこと。少しは芸術の教養が身に付いたのかもしれません。いずれにしても、美術館監視員のアルバイトは、とにかく楽なアルバイトでした。ただレアな求人すぎてあまり募集はされていないみたいです。私もそうでしたが、学芸員の方のつてがあってアルバイトに来ている人が多かったです。見知らぬ人を雇うより、知り合いの方が、雇う側も安心ということなのかもしれません。またあんな楽なアルバイトに巡り合いたいと思う今日この頃です。
    (楽なアルバイトの体験談 40代女性)

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