転職の成功談は世間に山ほどあると思います。例えば、零細企業勤務の人がスキルを買われて超大手企業の総合職に転職した話、かねてからの夢が捨てきれず憧れの仕事に転職出来たという話など。
ただ、転職して「こんなはずじゃなかった・・」と後悔している人も少なくないのが現実ではないでしょうか。私の場合、そうでした。
私は新卒で入ったお菓子メーカーの仕事に10年ほど勤めてきました。決して知名度のある会社ではありませんでしたが、仕事も人間関係も満足していて、楽しく毎日を過ごしていました。
ただ、心のどこかで「もっと大きな会社で働いたらもっと幸せになれるんじゃないか?」なんて考えていました。
そんなことから転職活動をして大手とされる企業から採用をいただきました。
その結果を上司に伝えたところ、しばらく戸惑っていたものの、「おめでとう。すごいじゃないか。これからさみしくなるけど、君の人生だし応援しているよ」と答えてくれました。
送別会も開いていただき、「新しい職場でも持ち前の元気で頑張ってください」「わが部署の誇りです。大きく羽ばたいてください」などと口々にあたたかい言葉をいただき、胴上げをされました。
皆の期待も背負って、新しい職場でもがんばろうと意気揚々でした。
そのときは・・
転職先の会社は大企業ということもあって、確かにオフィッスはきれいで通勤も便利になりました。給料は前職よりも上がったのですが・・
いろんな意味で最悪な会社でした。とにかく忙しすぎるんです。体育系の社風ということもあって強制参加の飲み会も多く、ろくに休みもとることができなくなりました。
そして、何より人間関係が最悪でした。忙しいこともあって、皆、精神的ゆとりがなく、ピリピリしたムード。イジメも横行しています。
転職から約8ケ月が経ちます。今は新しい職場に何とか馴染もうとつとめているものの、実際のところ、やりがいも喜びも見いだせない日々が続いています
はっきり言って、前職に戻りたくて仕方ありません。しかし、前職の事務所には、既に新しいスタッフが入社し私の居場所はもうありません。また、あたたかく送り出してくれただけにその期待を裏切るわけにもいかないという気持ちもあります。
ですから、体が壊れるまで耐えるか、また新たな転職を考えていくというしか道はないのだと思います。
「こんなはずじゃなかった・・」
というのが現在の正直な心境です。
ちなみに全国では転職をする人がたくさんいますが、4人に1人くらいの割合で、転職を「失敗だった」と考えているのだそうです。それは結構な割合だと思います。
そういったデータもふまえ私が転職をして感じたことは、転職先は条件や会社の規模だけでは決めてはいけないということです。
長く働くことを考えたら、その職場に自分に合うか、何を得られるのかをじっくりと見極める必要があると思います。
(転職の失敗談 30代男性)