地獄のような1日だった物流倉庫バイト|派遣先でのきつい仕事内容と人間関係

楽そうでキツかったバイト・派遣体験談(短期)
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私は関西に住む、20代の男性フリーターです。今から数年前の話になりますが、当時、登録したばかりの某派遣会社から、夜の22時過ぎに1本の電話がありました。

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派遣会社から1本の電話。物流倉庫での1日バイトに行くことに

 

「もしもし。〇〇さんですか?夜分すみません。明日、ピッキングの仕事があるのですが、お願いできませんか?

ピッキングとは聞いたことはあったものの経験はありませんでした。ですから、「ピッキングと未経験者にもできるような簡単な仕事でしょうか?」と聞いたところ,派遣会社の担当者はこう答えました。

多分楽な仕事です・・。時間通りに現場に行ってくれれば、説明があると思いますので・・私も詳しくは分からないのですが、普段、事務をやっている女性でもできる楽な仕事みたいですので、安心していただければ・・

買い物に出かける用事があったので断ろうとしたのですが、食い下がり、強く要望されました。

「そこを何とかご検討いただけないでしょうか?〇〇さんにぜひともお願いしたいのですが・・」「また次回は、優先的に穴場的な仕事もご案内させていただきますので・・」「とびきり時給が高いお仕事も、近いうちに紹介させていただきますので・・。なんとか、なんとかお願いできませんでしょうか?〇〇さん・・」

その派遣会社に登録してからまだ2週間くらいしか経っていませんでした。それなのに、どうしてそこまで私にお願いするのかな?と疑問に思ったものの、これも人助けのひとつかなと思い、翌日のスケジュールを空けてそのピッキングのアルバイトを引き受けました

仕事を承諾すると、派遣会社の担当者は「そうですか!お願いできますか!〇〇さん、ありがとうございます!すぐ、メールで集合場所の地図を送ります!」とハイテンションで答えました。

派遣会社の担当者の話を聴く限り、女性でもできる楽な仕事とのことだったので、ひょっとしたら、かわいい女性と出逢いも!?みたいなお花畑のようなイメージをそのときは持っていました。しかし、それが地獄への入り口だったのです・・。

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現場となる倉庫へ。それが地獄の始まり・・

多分楽な仕事です・・」どこかその歯切れの悪い派遣会社担当者の電話が妙に耳に残っていましたが、まあ、考え過ぎだろうと思いました。

バイト当日の朝、メールに記載されていた指示と地図に従い、某鉄道駅の駅前ロータリーから、指定された送迎マイクロバスに乗り込みピッキングバイトの現場に向かいました。

マイクロバスが停車したのは大阪の湾岸にある某物流倉庫。大型トラックが出入りしており、物流倉庫内ではフォークリフトが荷物を運んで行き来していました。天井が高く、とにかく床面積が広い空間でした。

受付を済ませ、事務員の案内で控室に向かうと、派遣会社のスタッフたちがたくさん集まっていたので、私もその輪の中に入りました。服装は、私服でOKとのことでしたが、現場では作業着に着替えました。物流倉庫が用意したチノパン風の作業着。着替えてから各々、控室で待機しました。

始業時間がはじまる直前に、現場担当者がやってきて物流倉庫内にまとまって移動。朝礼が始まりました。そして、数人ごとに役割を売り分けられました。

残念ながら、集まっていたのは全員男性で、かわいい女性との出逢いがないのは少々残念でしたが、「まあ、楽な仕事って聞いてるし、まあいいか」と考えていました。

ピッキングとは倉庫内で荷物を仕分けたり、必要な荷物を倉庫内から運び出してくる作業全般を指す作業らしいと分かりました。

といっても、物流倉庫にはさまざまな職種があり、私に与えられた仕事はどうやら、ピッキングとは違っているようでした。

「派遣の人ら全員そろっとんか?君は、そこの君は、こっちや。」

私は「投入」と呼ばれる作業をやるチームに入ることになりました。

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物流倉庫で「投入」の作業が始まる・・

私がやることになった「投入」と呼ばれる作業の流れとしては、フォークリフトが運んでくる荷物を、次々とベルトコンベアーの上に乗せていくというものでした。

その物流倉庫は、業務向けの食品を扱っているようで、荷物は業務用の大型荷物ばかり。ジュース(1ダース)、醤油(10本入り)、カップラーメン(50個入り)みたいに、商品がぎっしりと段ボールに入っていました。それらはベルトコンベアに乗って倉庫内を循環し、バーコードなどが記載されたシールが貼られ、送る地域ごとに仕分けられて、トラックに積み込まれていきます。

私がやった「投入」という作業は、それをラベルの方向に注意しながら、フォークリフトが降ろした荷物を持ち上げて、ひたすらベルトコンベアに荷物を置いていく作業でした。その都度、腰をかがめて荷物を持ち上げて、「よいしょ」とベルトコンベアーに乗せるといった過程が必要でした。

その作業には知識や技術は不要で、何か新しいことを覚える必要もありませんでした。

確かに単純作業。しかし・・(涙)

その作業自体は頭を使う必要もなく、その意味では楽な仕事だといえるかもしれません。ただ、荷物の中には重たい荷物もたくさんありました瓶入りのジュース箱などは、歯を食いしばって持ち上げねば運べないほどの重量で・・。

フォークリフトは次々と荷物を運んでくるわけですから、それが延々と続くとなると、当然のことながら、とてつもなくキツイ作業になります。

私は1時間もたたないうちに汗だくになり腰が痛くなってきました。それだけならまだマシなのですが、ちょっとでも作業の手を止めようものなら、ヤンキー風のフォークリフトに乗った金髪の人がやってきて・・。

「おい、そこのお前!もっとさっさとやれよ!」みたいに怒号を浴びせてくるのです。

そんな精神的にもプレッシャーのかかる、難しい人間関係もこの仕事には介在していました。そんななか、私は、ただ、無心になって荷物をベルトコンベアーに次から次へと投入していきました。

何とか午前中の2時間が終わり、足腰はガクガクに。喉はからからになり、休憩室ではジュースを3本もがぶ飲みしました。勤務時間が始まって2時間しか働いていないのにこんなにキツイ思いをしたのは高校時代のマラソン大会以来のことでした。

ベルトコンベアー停止に助けられる・・

休憩時間が終わると、その物流倉庫にて午後も同じ作業が始まりました。なかには驚くほど重たい荷物もあり、私は痛い腰を曲げ、歯を食いしばって投入作業に励みました。荷物は次から次へと運ばれてきます。

数え切れないほどたくさんの荷物を運び、手の握力がなくなってきました。そして、頭も朦朧としてきました。

これはやばいな。もう限界だ」と思って、手に負担がかからないよう少しゆっくり運んでいたときでした。

金髪ヤンキーのフォークリフトの人がやってきて、「おいそこのお前、ノロノロすんなや!もっと真剣にやれや!」と怒鳴られました。

「は、はい。すみません。がんばります」と表面的に士気を見せたものの、私としては体力の限界でこれ以上、素早く作業をするのは無理でした。

疲れるという状況をもう既に越えていたのです。気力だけでなんとか手を動かしているという状態。暑さ対策として扇風機が回っていたのですが、その扇風機の音が遠のいていくような感覚に陥っていたほど疲れ果てていました。

もうこんなキツイ仕事は限界だ・・もうだめだ・・」と思ったとき「ガタン!」という音がして、ベルトコンベアが停止しました。

ちょうど、電車が急停止するのと同じような感じに、今まで動いていたベルトコンベアーが止まりました。一瞬、静けさが、その天井の高い物流倉庫に漂います。何事か?と思って見渡すと、ベルトコンベアに段ボール箱が、狭い間隔で無数に連なって渋滞しています。

ざけんなよ!」「誰やこら!?しばくぞコラ!

金髪ヤンキーとその同僚と思われるスタッフの怒号が、物流倉庫内に飛び交っています。誰かがミスをしたのか、それとも機械の故障か分かりませんが、ベルトコンベアーに荷物が詰まったようです。生産性を高めるため、物流倉庫では分業制がとられています。一箇所でも作業が止まれば、全体がストップしてしまいます。

を管理していた物流会社の社員が「おいおい、どうなってんだよ!?」と怪訝な顔をして下りてきて、ハシゴを使って、ベルトコンベアに詰まった荷物を撤去する作業をおこないはじめました。派遣バイトたちは、何もできず、ただその作業を見守っているしかありませんでした。それから40分くらいして、ベルトコンベアは再び動き始めました。

その間、私達「投入」のスタッフたちも、ベルトコンベアーがストップしている以上、荷物を投入できないので、実質的な休憩時間となりました。私にとってはあまりにもありがたい神様からのプレゼントだったということはいうまでもありません。

物流倉庫内での仕事、ついに終業時間が訪れる

ベルトコンベアーが動き始めてからも、私たちは重い荷物を運び続けました。ベルトコンベアーが停止していた40分間の休みがあったとはいえ、辛くてしんどい作業であることには違いありませんでした。腕と腰も疲労ですぐ痛くなってきました。

金髪ヤンキーたちは、何とか遅れた作業を取り戻そうと、いろんな派遣バイトに今まで以上の激しい怒号を浴びせ、作業を急がせようとしていました。はっぱをかけるというよりは、キレまくっていたという表現の方が近いでしょうか。

「おい!オレに残業させるんか!?」「そこの派遣、お前や、お前!さっさと運べやコラ!」「オレに残業させたらわかってんな!?ぶっ〇〇からな!」

そんなヤンキーの怒号を間近に聞きながら、私は肉体的にも精神的にも大きな痛みを伴いつつ「あと2時間、あと1時間・・・」と、ただただ終業時間が迫る事だけを楽しみに、無心で作業をし続けました。その間、何度、時計を見たか数えきれません。

そして18時。終業時間が来た時は、あまりの開放感に涙が出ました。地獄から這い出た瞬間でした。

※この記事はキツイバイトの体験談ですが、楽なバイトに関する記事はこちらをご参照ください。

 

物流倉庫バイトでの地獄の1日を終えて思ったこと

このように、私はその物流倉庫内でのバイトの1日を何とか終えました。しかし、あまりにきつい仕事内容だったということもあり、翌日は筋肉痛でベッドから起き上がれない状況になりました。

この仕事は、某派遣会社を通しての仕事だったのですが、交通費なし、休憩時間1時間、時給850円という待遇でした。楽なバイトだったかというと、もちろん「NO」!。そのキツイ仕事内容からすると、完全に割りに合わないと感じました。

ちなみに、私がこの日やった作業はピッキングと呼ばれる作業ではありませんでした。おそらく、仕分け作業の一環になると思われますが、派遣会社の伝達ミスか、それとも現場の都合か、私は「投入」作業に配置されました。いずれにせよ、派遣会社から伝えられていた仕事内容とは全く違っていました。

※ちなみに、正真正銘のピッキングバイトはかなり楽なバイトとして知られています。ピッキングの体験談についてはこちらの記事をご参照ください。

 

一方、同じ物流倉庫内での仕事でも、与えられた仕事内容によっては楽な役割もあるにはあることは確認できました。例えば、シール貼りを担当しているスタッフもいて、あれは女性でもできそうな楽な仕事だと思います。

ただし、そのような楽な職種は、物流倉庫の社員がやっていて、派遣社員の男性には優先的にキツイ仕事が与えられていた印象を受けました。まさしく奴隷のような扱いでした。

ちなみに他の派遣会社の人に聞いた話で後から知ったことですが、私の行ったその物流倉庫はかなりブラックで、人が集まらず、年中、求人を募集していることで有名だそうです。

口コミ評判も最悪で、普段から人手不足。あまりに人数が集まらないために、いろんな派遣会社に声をかけているのだとか。そして、派遣会社からしても人材を集めるのが難しく、事情を何も知らない、派遣会社に登録したばかりの新人に電話をかけて、何とか人材の枠を埋めているのだとか。

私もある意味、その被害者のひとりといえるかもしれません。派遣会社の担当者の話から楽な仕事と思って気軽に引き受けたものの、実際は想像をはるかに超えるキツイ仕事で地獄のような1日となったわけですから・・・

ただ、ある意味、良い社会勉強にはなりました。また、過酷な作業を終えたあと飲んだジュースのおいしさにあれほど感動したのは一生忘れないでしょう(むりやりメリットとやりがいを探したらですが・・)

ちなみに、私がそのとき飲み干したジュースはこちらです。体が水分と糖分を欲していて、「ゴクリ」とあっという間に飲み干してしまいました。最高の美味しさでした。

 

多分楽な仕事・・・」と派遣会社担当者がなぜ歯切れ悪く答えたのか、仕事を実際にやってみてはっきりと分かりました。あの現場は、仕事内容キツイだけではなく、人間関係キツさもある。それを一度体験した人なら誰も二度と行かないだろうし、人手不足になるのは当然だと感じました。

その後も派遣会社からメールと電話が・・

ちなみにその派遣会社からは「以前就業いただいた物流会社が人材募集中です!〇〇さんにぜひ、仕事をまたお願いしたいです。ご検討いただけないでしょうか?」みたいなメールと電話が今でもときどき来ます。でも、二度と引き受ける気はありません!

そして、もし、仮に友人などが「この物流倉庫バイト、求人かけてるんだけど、どう思う?」と聞かれるようなことがあれば「やめとけ」と100%即答します。

時給がものすごく高いならまだ検討の余地は1%くらいはあるかもしれませんが、時給850円、交通費なしではデメリットが多すぎて割に合わないからです・・。

                 (キツいアルバイトの体験談 20代男性)

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