暇な派遣のお仕事を私が辞めた理由

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私が数年前に経験した派遣のお仕事は一風変わっていました。派遣先のクライアントはある製薬会社。新聞に試験薬の被験者を募る広告を掲載し、応募したいという方からの電話に一次対応するという仕事内容でした。
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派遣期間は短期間で時給もわりと良く、しかも業務内容的にそれほど難しい知識も必要ないとのこと。とりあえずやってみるかと思った私は応募し、無事に採用となりました。
実際、研修も数日で済み、覚えることもそんなにありませんでした。しかし、さすがに仕事本番となると大変になるだろうなあと覚悟してのぞみました。
しかし、いざ製薬会社での勤務が始まってみると、とても暇で楽な仕事だったのです。広告を出した当日とその後の数日間こそ、そこそこ電話も来たのですが、それ以降は激減しました。また、電話が来た時も、基本的に私たち派遣社員はテストアンケートをして連絡先を聴くだけという簡単な仕事内容でした。そこでは特に薬品に関する知識も要りませんでしたし、もし仮に少し込み入った内容になった時には、常駐の薬剤師さんや元看護師さんが対応してくれるので安心でした
新聞に広告が出稿され電話がそこそこかかってきた数日間を過ぎると、電話は減っていきました。すると、一日の入電数が待機オペレーターの人数より少ないという異様な状況になることも珍しくなくなりました。つまり、私たち派遣社員は、終日ただパソコンの前に座っているだけという状況になってしまったのです。
何もやることがなくボーっとしているのもさすがに退屈だろうという話になり、当初は禁止だったネットの閲覧が許可されました。それでもヒマになってくると今度は読書をすることを許され、おしゃべりもし放題になりました。なし崩し的に無秩序状態に。後半はもはや仕事をしに来ているのか遊びに来ているのかも分からなくなってしまいました。
その派遣の仕事は契約期間が短期であるため、契約満了が来ると一旦終了となります。ただ、派遣会社から声をかけられた場合には 次回の広告掲載時にも仕事を続けることが出来ました。結局私は、実質長期のような形でその製薬会社に一年以上勤めることになりました。
その派遣のお仕事は、読書好きな私にはまさに最高の環境でした。電話がかかってこない実質的な自由時間の間に、たくさんの本を読むことが出来有り難かったです。しかし、いろいろ迷った挙句、勤務期間1年間を過ぎたあたりで辞めました。
なぜなら、あまりに怠惰に慣れ過ぎると他の仕事が出来なくなると思ったからです。また、同じ繰り返し作業でしかなかったので、キャリアアップやスキルアップにつながらないとも思い危機感を感じました。
世の中には、探せば意外と暇で楽な仕事の求人募集が結構なされていたりします。一見すると、暇で楽ちんな仕事は「楽でいいなあ」「うらやましいなあ」と思われがちです。しかし、求人が結構あるということは、実は定着率があまり良くなくて定期的に誰かが辞めているということでしょう。これは想像ですが、私のように、自分の堕落ぶりに堪えられなくなって、暇で楽な仕事を辞める人も少なくないのかもしれないなと思ったりもします。
                                      (30代女性)

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