歩道橋の通行量調査員は楽すぎる仕事

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私がいままでにやった「暇で楽すぎる仕事」のなかでとびきり楽すぎる仕事は。歩道橋での通行量調査のアルバイトです。通行量調査とは、指定されたポイントで人が何人通過したかをカウントする調査のことです。通行量調査自体、単純で簡単すぎる仕事なのですが、私がやった歩道橋での通行量調査は、簡単さを極めていました。なぜなら、歩道橋は上るか下りるかの2通りしかないからです。
アルバイト当日、集合場所に朝6時少し前に到着すると、通行量調査のアルバイトの人々が何人か集まっていました。点呼をとった後、数台の車に分かれて乗車し、調査をする各ポイントへ出発。通行量調査員のアルバイトたちを乗せた車は繁華街からどんどん遠ざかり、車窓には田んぼや森があらわれるようになりました。一体どこまで行くんだ?と思っていたとき、15分ほど走ったところで車が停まりました。
「こちらで2人降りてください。この近くの歩道橋で調査していただきます」と運転をしている通行量調査のリーダーの人が後部座席を振り返って言いました。窓際に座っていた私ともうひとりの通行量調査員が車から降りることになりました。
車を降りたポイントから、リーダーの誘導でまだうす暗い坂道を1分ほどあがっていくと、古い歩道橋が見えてきました。「え?ここですか?!」もうひとりの通行量調査員が驚いたように声を発しました。「ええ、ここです。人通りが少なくて退屈になるかもしれませんが、よろしくお願いします」
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そして、座るためのパイプ椅子や人数を数えるためのカウンターを歩道橋の隅にセット。
「通行した人数を上り下りに分けて、1時間ごとに記入して下さい。では1日よろしくお願いします」と記入用紙を渡され、リーダーは車に戻っていきました。
残された私たち2人はとりあえずじゃんけんをして先に調査する方を決めました。調査時間は7時~19時。1人が2時間通行量調査をしたら、その間、もう片方は休憩です。2時間経過したら交代です。ですから、拘束時間は12時間ですが、実質6時間勤務(休憩6時間)ということになります。それでいて日給は何と交通費込みで8000円!
まずは私が2時間の通行量調査をしました。時計を見ると調査開始の7:00。「よし、がんばるか!」といざ意気込んだものの・・人が全く通りません。5分経っても10分経っても状況は同じで、待てど暮らせどその歩道橋には人がやってきませんでした。最初の1時間、結局通行人は何と0人・・厳密にいうと、猫が1匹、歩道橋の近くをうろうろしていました。初めて人がやってきたのは、調査開始から1時間40分が経過した8時40分頃でした。通ったのは散歩をしているおじいさん。お互いの姿が見えたとき、互いに驚きあい「お、おはようございます」「あ・・おはようございます」と挨拶を交わしあいました。おじいさんも、こんなひと気がない歩道橋でまさか人と会うとは思わなかったのでしょう。
そんなこんなで8時台の通行人はそのおじいさん1人で終了。8時55分くらいになると、もうひとりの通行量調査員が戻ってきて、バトンタッチしました。その後は2時間休憩ということになりますが、うれしいというより「まだ何も仕事していなんですけど・・」という感じでした。坂道を下って、コンビニでお弁当を買って近くのベンチで食べたり読書をしたりして2時間の休憩時間が終わる5分くらい前に、また元のポイントに戻りました。
「お疲れ様です。誰か来ました?」と声をかけると、もうひとりの通行量調査員の人は眠たそうな目をこすりながら「2人だけ通りました。やばいくらい暇すぎです」と答えました。2時間通行量調査をして通行人が2人ということは1時間に1人だけしか通らなかった計算になります。眠くなるのも当然です。
そんなサイクルで、調査↔休憩で交代しながら私たちは契約時間の19時までそのポイントで通行量調査を行いました。結局12時間で通った人数の合計は、なんと14人だけでした。調査その後、リーダーの人が迎えに来てくれて日払いの日給をもらったわけですが、交通費込みで8000円!私は割と遠いところから電車で来ていましたから実質7000円くらいの収益になりましたが、こんなに楽な仕事内容を考えたら、「こんな楽ちんな仕事でこんなにもらってもいいのか?」と申し訳ない気持ちになりました。こんな少ない通行量をカウントするために通行量調査員2人分の日当を支出して赤字にならないのかなあ?と心配になったほどです。
通行量調査のアルバイトはこのように暇で楽すぎる仕事でした。人目につく仕事上、スマホをいじったり音楽を聴いたりは厳禁ですが、あとは通行人の数さえカウントしさえすれば椅子から立って背伸びをしたり近くを歩いたりすることはOkです。私の場合、将来の計画を立てたり普段あまりできない考え事をしたりと、ゆっくり自分自身と向き合うことができて良かったです。そればかりか、ずっと休憩しているようなものなのに、高い日給までもらえたので本当にラッキーでした。         
                       (暇で楽な仕事の体験談 20代男性)

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