私は学校を出てから、派遣会社に登録して、国内の旅行添乗員を数年やっていました。添乗員の仕事は楽かというと、はっきりと言って、楽ではないと思います。ただ、添乗するツアーにもいろいろな種類があり、中には楽なツアーもあります。その代表的なものは、会社の慰安旅行など御一行様の添乗です。
旅行会社のツアーのなかでも、例えば、「高山と世界遺産白川郷2日間」みたいな主催旅行となると、添乗員は大変です。出発前からツアー解散まで、添乗員はひとりでいろいろ作業をしなければならないからです。例えば、お客様への確認電話、座席表作成、部屋割り、立ち寄り場所での精算、現地での誘導や観光案内などなど・・ここで書ききれないほど沢山のことを1人でこなす必要があります。しかもツアー当日は40人近いお客様を誘導しマイクでいろいろ話をしなければなりませんし、同時にいろいろ起きる問題に対処をする必要もあります。ですから神経を常に張りつめていざるを得ないという感じですね。
しかし、会社の慰安旅行など御一行様のツアーの添乗は、全く趣向が違い、仕事が楽です。添乗員は完全に裏方的な存在だからです。添乗員は、お客様側のリーダーである幹事さんの指示を受けながら、お手伝いをするというだけのお仕事なのです。
何か一つ行動をするにも幹事さんに聞いた上でやるわけです。つまり、添乗員が自分からあれこれやる必要はなく、幹事さんの手助けになりそうなことを探して淡々とすればいいだけなのです。例えば、トランクに入れているビールを車内に持ち込むときは、幹事さんひとりで運ぶのは大変なわけです。そんなときは「お手伝いしましょうか?」と聞いてみて「じゃあ、手伝ってくれる?」みたいな回答が返ってくれば手伝うという感じです。
また、会社慰安旅行など御一行様ツアーの添乗が楽なのは、自分がツアーを盛り上げる必要はないということです。というのは、お客様は、出発時から車内でビールなど飲みながら、勝手にワイワイ楽しまれているからです。そんな様子を横で見ながら、添乗員は車内を廻って、ビールを配ったり、ビンゴゲームをするなら当選者に景品を持っていくなど、そういった裏方の作業さえやっていればよいのです。
また、宿に着いても、添乗員がやる仕事というのは本当に少ないです。なぜなら、幹事さんがお客様の部屋割りや夕食時の座席など決めてくださっていることがほとんだからです。夕食時は添乗員はお客様と同席をして、幹事さんが挨拶されるのをサポートしたり、ビールやお酒の手配のお手伝いをするくらいです。
そんなとき、「添乗員さんも一杯どうぞ」みたいにお客様からビールがつがれることも結構あります。
そんなお酒はありがたく頂戴し(お酒が苦手なら断ってもOK)、あとはお客様が盛り上がっているのを見ているか、ハメを外さない程度に一緒に盛り上がればいいだけです。
以上のように、会社の慰安旅行など御一行様ツアーに添乗する仕事は、とても楽で楽しいお仕事です。仕事をしているというよりは、会社の一員に入れてもらって、一緒に楽しませていただいているという感じですね。また、会社の慰安旅行などご一行様ツアーでは、お客様への対応も非常に楽です。例えば、道路が渋滞して帰りが遅くなったり、小言を言っておられるお客様がいらっしゃったとしても、幹事さんが「まあまあ、楽しくいこうよ!」みたいな一言で、全て問題は解決だからです。
とはいえ、そんなご御一行様の添乗の仕事であっても、他の仕事をやっている友達から言わせると、口をそろえて「そんな大変な仕事、よくやってるね!」と言われます。また、仕事でやることの多さや拘束時間の長さにしては給料が少ないことを考えると、割に合わない仕事だといえるかもしれません。ただ、私の場合、お客様と話をしたりお世話をするのが好きですし、ツアーが終わり帰り際にお客様から「ありがとう」と言われると、そのしんどさもしんどさでなくなるような気がします。
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御一行様ツアーの添乗員は割とラク?
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