暇で楽だった、古本屋のアルバイト

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私は専門学校に通っていたとき、学校に通いながら出来てかつ楽にできる仕事を探していました。そんなとき、知人からの紹介で始めたのが、古書店のアルバイトでした。
紹介ということもあり、面接は特になく履歴書を出しただけで即採用されました。履歴書を提出した日にアルバイトの希望日を聞かれて、平日週4回と土曜日にシフトを入れてもらうことにしました。
その古書店は三階建てアパートの1階部分を書店にしたものでした。フロア面積は広いものの、棚がびっしりと並べられ、その棚に古本(主に漫画)がまたびっしり並べられているせいで、ちょっと狭く感じるぐらいのお店でした。そればかりか、並べきれない漫画はフロアの床に山積みになっている有様で、こういっては失礼かもしれませんが、本を売ろうというやる気があまり感じられませんでした。
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こんな状態で果たしてお客さん来るのか……?と、アルバイト初日から心配になりましたが、案の定、お客さんの数は少なく、勤務時間中、二桁にも満たない人数でした。アルバイト初日は平日夜だったので、まぁ客入りも少なくても仕方ないのかなと思いましたが、土曜に昼から仕事に入ったときも、来たお客さんは30人ほどにすぎませんでした。
私が任されたのは主に本の清掃と品だしでした。レジでの接客は店長がやっていたので詳しくは分かりませんが、売り上げはロクにないんじゃないかと思いました。
本当にアルバイト代が支給されるのか、働き始めて最初の1か月ほどは不安でしたが、幸い、アルバイト代は振り込まれていました。古本屋だけにアルバイト代は一般的な書店に比べて少し安かったですが、その楽な仕事内容からすると大満足でした。本の清掃はただ本のページを機械で削って、粉をふき取るだけの作業でしたし、品だしもほとんど無い(売れてないので)状態だったからです。
お客さんが店内にいないときに、おしゃべりしてても全然怒られなかったですし、いろんな面で本当に気楽なアルバイトでした。結局、専門学校が忙しくなってアルバイトとの両立が難しくなるまで、一年ぐらい続けました。
専門学校を卒業する少し前、久しぶりにその古本屋に訪れました。しかし、古本屋は既になくなっていて、全く違うリフォーム用品のショップに変わってしまっていました。ショックではありましたが、不景気の中、あんなにお客が少ない状態で営業を数年も続けられてたのは逆にすごいと思いました。
あの暇で楽な古本屋で働いていた日々を振り返っていろいろ考えてしまいました。確かに仕事は楽でありがたかったですが、何か成長できたかというと、成長できたことが何も思い浮かびませんでした。そんなことから「楽な仕事」=「良い仕事」であるとは限らないものだなと思いました。ただ、暇で楽な仕事はそれだけ自由に使える時間が多いわけですから、その時間の活用次第では将来につながるものを生みだせていたのではないかと今になっては思ったりします。
            (楽なアルバイトの体験談|30代男性)

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