暇すぎるコンビニエンスストアバイト

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ずいぶん昔の話になりますが、私は、近所のコンビニエンスストアでアルバイトをしていたことがあります。いわゆる地方のコンビニエンスストアで、誰もが知っているような有名店ではありません。当時学生だった私は、コンビニエンスストアの壁に「アルバイト募集」の広告を見て、何となくやってみたいと思いました。バイトをしたいと電話連絡し、エリアマネージャーと数日後に面接。無事に採用されました。
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実際にコンビニエンスストアで働き始めてみて、初めのころは、結構大変な仕事だなと思いました。
というのは、レジや商品補充ほか、覚えることがそれなりにたくさんあったからです。
ただ、ひとつひとつの作業自体は簡単で、ひと通り流れを覚えてしまった後は、本当に楽で暇になりました。
しかも、私がアルバイトをしていたコンビニエンスストアは場所があまり良くないせいか、ほとんどお客様は来ない状況でした。ですから、レジの中でぼーーっと立っているだけ、という時間がほとんどでした。
フライものなども販売していましたが揚げても売れないので、廃棄になるものをもらって、売り場の雑誌を読んで時間をつぶしていました。エリアマネージャーもほどんど店に顔を出さないため、さぼろうと思えばいくらでもさぼれました(正確に言うとさぼっているわけではなく、仕事がないのでぼーっとしているだけでした・・・)
ただ、楽な仕事だったかというと、意外に思うかもしれませんが、そうとはいえないなと思ったこともあります。というのは、その「やることがなく暇」というのをつらいなとしばしば感じたからです。
やる仕事がなく何時間も拘束されるくらいなら、忙しくしていて気が付けば時間がたっているほうがよっぽどましだと思いました。はじめのころは暇でラッキーなバイトだと思っていましたが、その暇な状況を返って苦に思うこともありました。ですから、商品補充や棚をきれいにするなど、思いつく限りの仕事を何かしらしていました。
そんな暇なコンビニエンスストアなので、やってくるお客様も限られており、ほとんど顔を覚えてしまったほどです。お客様からしても「あ、今日もがんばってるな」という感じで、時々会話をしたりもしていました。
例えば、あるおじいさんは、10パックほどのコーヒー牛乳を買っていくので、一人で飲むのか本当に気になり、ある時思い切って「お一人でこれを全部飲まれるのですか?」と聞いたこともありました。するとおじいさんは次のように教えてくれました。「近所に住む孫がいつも遊びに来るので常に冷蔵庫に入れているんですよ」。
そんなのんびりした地域密着型のコンビニエンスストアだったので、ほんわかとした雰囲気もあっていいお店でした。私は学校を卒業と同時にそのコンビニエンスストアでのアルバイトを辞めて地元を離れました。それからずいぶん時間がたち、風の便りに、そのお店は閉店してしまったことを知りました。
私がアルバイトをしていたのは一年足らずで、その後たくさんのアルバイトや仕事を経験しましたが今思い出しても、貴重なアルバイトだったなと思います。当時学生で「働く」ということの意味もよく分からないまま雇っていただいていましたが、暇で時間があったからこそ将来したい仕事を自主的に探すことができたように思います。また、時間や余裕があったからこそ、よく来るお客様と交流を持つこともできました。時々、暇すぎる状況を苦に思うことはありましたが、今となっては、あのコンビニエンスストアで働けてよかったと思います。
   (楽なアルバイトの体験談 40代女性)

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