映画館スタッフは楽なアルバイトでした

今まで経験してきたアルバイトのなかで、体力的にも精神的にも楽なアルバイトだと感じたのは、映画館スタッフのアルバイトです。

映画館スタッフと言っても仕事内容はいろいろあり、ました。チケットを販売する係、ゲートでチケットをもぎる係、ポップコーンを作って販売する係、館内の案内係、掃除係、土産コーナーの販売係、ドリンクコーナーでの販売係などなど。
その日に応じて、任されるポジションは違っていました。ただ、どの作業も単純作業で、特に難しい知識や技能を要するものではありませんでした。
そのなかで映画館らしかったのはポップコーンをつくって販売する係です。こちらは専用のポップコーン製造機が設けられていました。トウモロコシの種とオイルをセットしあとはスイッチを押すと、次々とトウモロコシの種がはじけてポップコーンができていきます。機械が止まるとキャラメルパウダーなどで味付けをして保温状態にし、カップに盛りつけて販売していくのです。
映画の上映が始まる直前は行列ができて、手早く作業を進める必要がありました。とはいえ、売店のようにあちこちから注文がくるのではなく、１列に列ができているので、ひとりひとりさばいていくのを考えるだけだったので意外と楽でした。
人気映画の上映時間が重なる時間帯は、お客さんの数が多買ったです。ただ、そういったことはあらかじめ予測ができるもおのなので、複数人数での体制だったので、思ったよりしんどくはありませんでした。行列ができているときはさすがに暇な時間は全くありません。ただ、その時間が過ぎて、映画上映が始まると、状況は一変して閑古鳥状態に。
次に忙しくなるのは次の映画上映時間直前です。例えば14時15分～の映画がスターとしたら、次は16時15分～の映画の前まで1時間半くらい暇、みたいな感じでした。その間も、早めに映画館に到着したお客さんがポップコーンを購入されることもありますが、人数としては少なく仕事は楽でした。
暇な時間は交替で休憩をとります。あとは、近くにいるアルバイトスタッフとひたすら雑談をしているか、何をすることもなくただぼーっとフロアを眺めいるか暇つぶしをしていました。
映画館でのアルバイトは確かに忙しい時間帯があります。しかし、それは勤務時間の全体で考えるとごく一部の時間にすぎませんでした。一日中忙しかったらさすがに滅入ってしまうことでしょうが、忙しい時間帯は映画のスケジュールを見たら一目瞭然です。「この時間を乗り切ったら２時間くらい暇になる！」と考えれば、精神的にも楽でした。
また、この映画館スタッフのアルバイトを楽なアルバイトだと感じたもうひとつの理由は、仕事内容にも変化があるということです。毎回同じポジションを担当するわけでなく、ポップコーン販売をした次の日はチケットもぎり、その次は館内清掃といった感じで仕事内容が変わっていきました。
ひとつの作業を毎回していたらきっと飽きてしまい、それがストレスになっていたことでしょう。しかし、映画館スタッフのアルバイトは、毎回出勤してはじめてどの作業を担当するか分かるので、新鮮な気持ちでアルバイトに入ることができました。皆、同じようにポジションが変わるので、不公平感もなかったですし、細かい人もおらず人間関係も楽でしたね。
アルバイトスタッフにはフリーター、主婦、大学生、短大生とバラエティに富んでいました。年齢は20代が多かったです。しかも映画館でアルバイトをしているだけあって、ほぼ例外なくみんな映画好き。映画という共通話題があるだけに、暇な時間に雑談するときも楽しかったです。
オフの日はアルバイト仲間で集まって食事会をしたりお花見会を開いたりしていました。みんな仲がよく、いつも映画の話で盛り上がっていました。そのように人間関係が楽な職場環境だっただけに、仕事が忙しいときもあまりストレスを感じることがありませんでした。
普段から仲がよいアルバイト仲間ですから、仕事は皆で協力して手早く終わらせてしまおう！みたいな一体感があったのです。仕事をするときはきちんと仕事をして、遊ぶときはしっかり遊ぶといったメリハリができていたと感じます。今から考えてみると、そのように仕事内容にしても人間関係にしても楽でありながらメリハリがしっかりとあるアルバイト先だっただけに、楽なアルバイトだと感じたというのもあると思います。
私の場合、この映画館スタッフのアルバイトのように、適度の緊張感と忙しさがあって、かつ暇な時間もしっかりあるアルバイトを「楽なアルバイト」だと感じました。忙しすぎても暇すぎても、ストレスがたまってしまい、きっとしんどいと感じていたと思います。人によってそこあたり感じ方はさまざまなだと思いますので、みなさんにとってベストの「楽なアルバイト」を見つけて欲しいと思います。
　　（楽なアルバイトの体験談　20代男性）