私は現在30代後半の男性です。31歳の時、前職を退職してそれから5年に渡りフリーターをつづけていました。
どうして退職したのかというと、前職の上司から毎日のようにパワハラを受けて精神的に滅入ってしまったからです。鬱気味になってしまい、気力がわかなくなりました。
自分に自信を持てなくなり、正社員の仕事を見つけようとすることもなく、フリーターをつづけていました。
フリーターとってもアルバイトを探して道を開こうとするのではなく、家でゴロゴロ、親のすねかじりをして、家から追い出された後は、付き合っていた彼女(現在の妻)に居候になっていました。
ただ、フリーターになってから5年が経ち、このままでは当時の彼女(現在の妻)からも愛想尽かれるだろうという危機感から、社会復帰しなければと思うようになりました。
しかしいざ転職活動をしようと思っても、ネックとなるのは5年間の空白期間です。
フリーター期間が長く、面接ではその点について毎回のように聞かれました。
「前職から期間が経っていますが、何をされていたのですか?」みたいに。
そんな質問をされるたび、私は、パワハラ上司が原因で前職を辞めた理由と、鬱気味で働く気が湧かずゴロゴロしていたことを正直に答えていました。
しかし、当たり前と言えば当たり前ですが、ことごとく不採用になっていました。そんな精神的不安定でいつ辞めてもおかしくない人材を面接官もわざわざ採りたいと思わないわけですから・・。
ある日のこと、私は転職のアドバイザーをやっている人から、ひとつのアドバイスを受けました。それからというもの、フリーター期間についてもうまく回答をできるようになり、無事に転職先が決まりました。
どんなことをアドバイスされたのかというと、「フリーター期間を通して得たものをポジティブに語る」ということです。
私はそれまでフリーターを「なまけもの」「社会のごみ」というネガティブなイメージでしかとらえていませんでした。
実際はそんなことないのでしょうが、両親や親戚からは、そのように言われていたからです。
ですから私にとってはそのアドバイスは或る意味、目から鱗という感じでした。
フリーター時代、私は確かに家でゴロゴロしている時間が長かったのですが、何も得られなかったかというとそうでもないと思ったのです。
というのは、時間がたくさんある分、いろんな本を読むことができたのです。もともと読書が好きということもあったのですが、これだけ読書に時間をできたのはフリーターだったからでした。
そして、実際のところ、読んだ法律関係の本から、将来やってみたい仕事が見つかったという事実もありました。
そんなことをふまえ、私は転職活動の面接への姿勢は変わりました。
面接官からフリーター時代にやっていたことを聴かれると、そのことをポジティブに話すことにしました。
フリーター時代に、読書をしたことで人生で大きな財産になり、これからやりたいことが見つかったことをアピールしました。
そんな意識改革をしてからしばらくして、私は希望する条件の会社に転職をすることに成功しました。
その意識改革が必ずしも転職成功のカギになったかは確かめる術はありありませんが、少なくとも私はそうだと考えています。
日本の企業では、履歴書の空白を好まない傾向にあります。ですから、フリーター期間が長かったらそれは確かに大きなデメリットです。しかし、だからといって悲観することはないと私は思います。
そのフリーター時代に、どんなことを学び得て人生の糧にできたのかをしっかりと述べれば、それは逆に評価につながると思うのです。
(転職の成功体験談 30代男性)