私は都内の大学院を卒業してから大手IT関連企業に入社。20年ほど働き45歳のとき転職をしました。
新卒で入ったそのIT関連企業ではソフトの開発などに携わりそれなりの実績を積み重ねてきました。30代後半からはプロジェクトリーダーを任され20人ほどの部下を率いて、新製品の開発にあたりました。
そんな私は前職では社内での人間関係がうまくいかず・・ある日、同僚と大喧嘩をしてしまい会社を退社することになりました。
ただ私は転職に全く不安に持っていませんでした。というのは 私はそれなりのスキルとキャリアがあったからです。
畑違いの分野ならまだしも、IT関連企業ならばそのスキルと経験を買ってくれてすぐ転職先が決まるだろうと思っていました。
そのときは・・
しかし私の転職活動は半年にも及ぶことになります。書類選考はときどき通過しても1次面接ではどこも不採用になってしまっていたのです。最初のうちは、何かの間違いだろ!?と軽く考えていました。
今から考えてみると私自身に明らかに問題があったと思います。
もちろん面接ではスーツをしっかり着こなしてきっちり指定された時間に会場に向かうわけですが、私には 一つの問題点がありました。
それは自信過剰であったという点です。今から考えると非常に恥ずかしいことですが、「あなたの会社に来てやってもいいよ」みたいな高飛車な気持ちで面接に臨んでいました。
それは、前職が大手IT関連企業だったというのもありますし、45歳ということもあり、面接官のなかには私より若い人も少なくなかったからです。
面接では前職でいかに自分が責任ある立場を任されていたか、いかにすごい実績を積み重ねてきたかを延々と喋っていました。
私からすると、大手IT関連企業から中小のIT関連企業に転職するというのはボランティアのようなものだと思っていました。
言葉にこそ出しませんが「大手IT関連企業で実績を積んだ人間が面接に来てやっているんだ。君たちはラッキーだな」みたいなの意識で面接を受けていたのです。
本当にお恥ずかしい限りですが・・
もちろん敬語をつかって面接官からの質問に答えるわけですが、内心ではため口でしたね。もちろんこちらが「上」で面接官が「下」という意識でした。「採用後は特別扱いしてもらわないと困るよ」みたいなスタンスで話をしていましたね
ところが結果は 不採用の連続でした・・
不採用通知をもらうたびになんかの間違いだろうという風に最初は思っていました
しかし、不採用通知がたまるごとに、何かを変えないと転職活動は前に進まないとようやく気付きました。
結局、とんだ思い上がりであったということです。
今から考えてみると、もっと下手に出て「働かせていただきたい」という謙虚な気持ちを持って面接に臨むべきでした。
そういう意識ならもっと早く転職先が決まっていただろうと思うのです。
たとえキャリアやスキルがあったとしても転職先では一から仕事を覚えることになります。また、ひとり加わっただけで職場の雰囲気は変わります。そういった点もより意識すべきでした。
面接官は応募者のスキルや経験だけを見ているわけではありません。これから一緒に社内で働く人間としてふさわしいかどうかもしっかり評価しているわけです。
自信過剰で傲慢な人間よりも、謙虚で従順な人と働きたいと誰もが思うのは言うまでもないでしょう。
もし応募者から高圧的な態度や失礼な雰囲気が少しでも漂ってきたならば どれだけ素晴らしいキャリアを持っていても採用は遠くなるということです。
私はそれを転職活動を始めて4か月目くらいでようやく気付きました。
30代、40代、50代・・と歳を重ねていくにつれサラリーマンはプライドが高くなっていくものです。
それは仕事のキャリアも人生経験でも年下よりも上だという自負があるからです。
そのプライドが転職活動を阻害する場合があるということを念頭に置いておいたほうがいいと思います。
仮に素晴らしいキャリアやスキルがあっても、転職先では新人であるという謙虚な気持ちで面接に臨むこと。それが意外にも採用の重要なキーになってくるというわけです。
ちなみに私は現在、中堅のIT 関連企業でプログラマーとして働いています。上司は私よりも5歳若い人ですが、私が謙虚な気持ちで接していることもあってか、その上司も私に対して敬意を払って丁寧に指導してくれています。
転職活動をする前は自信過剰で、前職では社内での人間関係がうまくいかなかった私。
しかし今の会社では、同僚と摩擦を起こすこともなく、人間関係も円滑になりました。それは私自身が、転職活動を通して変わったからだと思います。いろいろな意味で40代の転職活動は勉強に
(転職の成功体験談 40代男性)