2018年問題とは|契約社員、パート社員、派遣社員など非正規の雇用ルールが4月10月に変わる!そのメリットと問題点

正社員と非正規雇用
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(2018年問題とは)

「2018問題」という言葉を聞いたことありますか?

2018年問題とは、非正規で働く人の雇用ルールが2018年4月、10月に変わることで起こる諸問題を懸念したものです。

非正規雇用のルールを変更する政府の狙いは「非正規労働者の雇用を守る」ということにあります。

しかし、そのルール変更によって「大量の雇用止めや派遣切りが起きるのではないか?」など懸念する声も少なくありません。

そこで以下、2018年問題で懸念されていることがらやルール変更のメリットについてまとめてみたいと思います。

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<非正規の雇用ルール変更の2つの柱>

2018年4月、10月に一体どのように非正規のルールが変わるのかというと、政府は大まかに2つの柱を掲げています。

<変更点① 5年を超えて反復更新した非正規社員は無期契約を申請できる>

1つめの変更点は、パートや契約社員など非正規社員として働く人々は、通算5年以上契約が繰り返すと「無期契約を結ぶことができる権利を得られる」というものです。このルール変更は2018年4月1日より適用されます。

従来、パート社員や契約社員など非正規社員の多くは半年から1年と短い期間で雇用先と契約を結んできました。ですから半年または1年ごとに、「次は契約してもらえるのだろうか・・?」という不安と隣り合わせになることを余儀なくされていたわけです。

一方、非正規労働者のうち全国で約450万人はは5年以上契約を反復して更新していながら、非正規という不安定な身分を余儀なくされている状況でした。

すると、そういった人々は長年同じ現場で真面目に働き続けていても、雇用側の都合によって簡単にクビを切られてしまうというリスクと毎年隣り合わせであらねばならないという状況に立たされていたのです。

(5年ルールのメリット)

それが2018年4月より、非正規の雇用ルールが改まることで非正規労働者は安定した働きかたをすることができることが期待されています。

「5年を超えて契約を更新した非正規労働者は無期限の雇用契約を結ぶことができる」ようになるからです。そこでは、条件をクリアした非正規労働者が無期限の雇用契約に申し込んだ場合、雇用者側は拒否することは基本的にはできません。

ですから、非正規で雇用され長年勤め続けた人は、いつクビになるかもしれないという不安を払しょくすることができるメリットがこの5年ルールにはあるのです。

(5年ルールの懸念1)

しかし、このいわゆる「5年ルール」について懸念を示す意見も少なくありません。それは「5年以上」という年数が条件に定められていることにあります。

例えば、雇用側が、もう少しで5年になろうとするタイミングで、非正規労働者を雇用止めにしたら・・

その非正規労働者とは無期限の雇用契約を結ばなくてもいいということにあります。もちろん、合理的な解雇理由を提示する必要があるのでしょうが、
雇用する側が依然優位に立っているという面は否定できないというわけです。

(5年ルールの懸念2)

非正規労働者が5年を超えた反復更新をして、めでたく無期限契約を結ぶことができたとしても、正社員になれるわけではありません。無期限転換社員という肩書なのです。どういうことかというと、契約期間は正社員と同じく無期限でも、勤務時間や職務内容など勤務条件は、非正規労働者時代と何ら変わらないというケースになることが考えられているのです。

すると、給料面ではあまり変わらず、依然、給料面で苦しいという状況がつづくのではないかという懸念もでてくるわけです。給料面といえば、2019年度から適用される同一労働同一賃金制度との兼ね合いも不透明です。

こちらは正規社員と非正規社員について規定したものですが、無期転換社員については現時点で対象外とされています。すると、場合によっては非正規社員のほうが無期転換社員よりも給料が高くなるという状況も生まれるのではという懸念も出てくるというわけなのです。

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<変更点② 派遣社員の派遣期間は一律3年を限度に>

2018年問題の2つめの変更点は「派遣3年ルール」というものです。こちらは専門26業務(※)含め、すべての派遣業務で、同じ職場に派遣社員を派遣できる期間を3年を限度にするというルールです。そして3年を超えて同一の企業に派遣された場合、該当する派遣社員に企業は、無期雇用または直接雇用を促す、あるいは他の派遣先を紹介する義務が課せられることになりました。こちらは2018年10月(9月30日以降)より適用されます。

※専門26業務
①ソフトウェア開発 ②機械設計 ③放送機器等操作 ④放送番組等演出 ⑤事務用機器操作 ⑥通訳・翻訳・速記 ⑦秘書 ⑧ファイリング ⑨調査 ⑩財務処理 ⑪取引文書作成 ⑫デモンストレーション ⑬添乗 ⑭建築物清掃 ⑮建築設備運転・点検・整備 ⑯案内・受付・駐車場管理等 ⑰研究開発 ⑱事業の実施体制等の企画・立案 ⑲書籍等の制作・編集 ⑳広告デザイン ㉑インテリアコーディネータ ㉒アナウンサー ㉓OAインストラクション ㉔テレマーケティングの営業 ㉕セールスエンジニアリングの営業 ㉖放送番組等における大道具・小道具

(3年ルールのメリット)

派遣社員は派遣会社に登録していても仕事がなければ無職状態です。また現場で何かミスをしたらいつ派遣きりに遭ってもおかしくないという不安定な身分でした。それが、今回の非正規ルール変更によって派遣先での正社員登用の道が広がる可能性が出てきました。

(派遣3年ルールの懸念)

一見すると、がんばって3年間派遣先で働いたら直接雇用で正社員(または契約社員)になれる!と思われがちです。しかしそれは企業側が、受け入れ態勢があってという話にすぎません。派遣先の企業または派遣会社の都合で、3年という分岐点が訪れるまでに派遣きりに遭ってしまう人が多発するのではないか?という懸念する声も少なくありません。

<まとめ>

パート社員、派遣社員、派遣社員といった非正規労働者の雇用ルールが2018年4月10月に変わることで起きうるとされる「2018年問題」。非正規労働者にとって、正社員を含めた無期限雇用への道が開かれるという意味では、大きなメリットがあろうと思います。しかし、雇用主の企業(または派遣会社)からすると、人件費を増やしたくないという思惑がはたらくわけで・・「5年」「3年」という分岐点を前に「雇用止めや派遣切りが横行するのではないか?」などという懸念の声も少なくありません。

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