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楽だった学会クロークバイトの1日





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「楽なアルバイト」といえば、真っ先に思い出すのが、大学生のときにときどきやっていた学会クロークのアルバイトです。短期の派遣バイトで、その仕事内容は、歯科医師が集まる学会で受付をするというものでした。
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学会クロークのアルバイトスタッフとして集まっていたのは大学生と短大生を中心に若い女性ばかり。学会の会場は都内にある某シティホテルです。
まずはリーダーが率先して、受付テーブルの準備をしてくれました。あとはそれぞれの分担を割り振り、名簿の見方や対応の仕方などを説明してくれました。学会が始まる30分くらいになるとスーツ姿の歯科医師たちがぱらぱらと集まり始めました。受付に来られた方には、お名前を聞き、参加者名簿をチェック。学会資料とネームプレートを配布していきます。
私は初めてこの派遣バイトに入ったときは緊張しましたが、数名のスタッフで分担しての対応したので難しくはありませんでした。
学会の開始時間が迫ってくると、来場者数は一気に増加。名前を聞いて名簿にその名前を探す作業も忙しくなりました。ただ、スーパーマーケットやコンビニのお客さんのように、急かす方もいませんでした。既に座席も決まっていますし、早く受付をして会場入りするメリットもないからです。
みなさん、のんびり受付をして、あとは知り合い同士でおしゃべりを楽しまれている雰囲気でした。ですから、学会クロークバイトの身としては、プレッシャーもかからず気楽に焦らず作業を進めることができよかったです。
あとは、遠方から来られている方で大きい荷物を持参されている方への対応をやるスタッフもいました。荷物を預けたいと本人が希望する方の荷物を預かり奥で保管。引き替えタグを手渡します。
来場者が集中する時間帯はなかなか大変なバイトかも?と思いました。ただ、いざ学会がスタートすると、途端に暇になりました。会場のなかからは拍手が起きたりマイクで話し手がスピーチするのが聞こえてきますが、私たちは会場のなかに入ることはありません。
万が一遅れて来る人がいたら、いつでも受付をできるように、学会クロークのアルバイトたちは受付テーブルで待機したままなのです。とはいえ、学会に遅刻して登場する歯科医師がそうそういるものでもありません。結局、椅子に座り、誰もやってこないホテルのフロアをボーっと眺めて暇つぶしをしているだけでした。
あまりに暇すぎるので、しばらく時間が経過すると、学会クロークアルバイト同士、近くの人と小声でおしゃべりが始まります。またある場数を踏んでそうなアルバイトスタッフは、ポケットから小説を出して読み始めました。とにかくやる仕事が何もなくその場にいる意味があるのか?と思うほど暇でした。
結局、そんな暇な時間が延々とつづきました。途中からは、仕事をしに来たんだかおしゃべりしに来たんだか、もう何がなんだか分からなくなりました。そうこうしているうちに、会場内から割れんばかりの拍手が起きたのが聞こえました。学会が終わったのです。
私たちは瞬時に背筋を伸ばし、出口付近に整列。次々と会場を後にする歯科医師の方々に「ありがとうございました」と深々と挨拶をしていきます。荷物を預かっている方にはタグと引き替えに荷物をお渡しします。その作業をしばらくつづけ、会場のなかに誰もいなくなればアルバイトは終了となりました。
こんなに楽なアルバイトだったのですが、時給は1000円を越えていました。何とも楽でおいしいアルバイトだなと思ったものです。
 (楽なアルバイトの体験談 20代女性)

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