居酒屋で焼き鳥を焼くアルバイト体験談

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私は高校生のときに居酒屋でアルバイトをしていました。高校2年生の時から卒業までの約2年間です。アルバイトを始めて最初の数か月間は、ホールを担当していました。そんなある日、焼き鳥を焼いている方が厨房へ移動なることになり、その代わりにアルバイトの中から誰か一人、焼き場にまわしたいという事になりました。
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焼き場を担当している方から、選ばれたのは何と私でした。どうして高校生バイトの私だったのかは、未だに分かりませんが、その日から焼き場での修行が始まりました。
最初の頃はとにかくよく怒られました。火加減やあぶる時間が少しでも違っていると、焼き鳥の味は全然変わってくるからです。ただ、怒られても歯を食いしばり練習を重ねることで、段々と上手く焼き鳥を焼けるようになり、褒められるようになりました。
およそ二週間ぐらいで修行は終わり、それからは、一人で焼き場を担当するようになりました。修行が終わる日「今日から一人だからな!頑張れよ!」と声を掛けられ凄く緊張したのを今も覚えています。隣の寿司職人さんが緊張している自分を見て笑っていました。
一番最初の注文が来た時は、手が震えながら、焼き鳥を焼いていました。注文を持って来た同じ高校生のアルバイトの女子に「頑張って!」と言われた時は、心強く思いました。きちんと火が通っているか何度も確認して、焼き鳥を皿に盛り付け、お客さんにだしました。何か言われないかな?苦情が来ないかな?などとドキドキ心配しながら、耳をすませ次の注文の焼き鳥を焼いたのを覚えています。
幸い、何も苦情が来なかったので、ホッとしました。それから注文をこなしていくうちに次第に自信がみなぎってきました。そして「俺、職人みたいだな」と自画自賛しつつ焼き鳥を焼く心の余裕が生まれてきました。
ふと少し手が空いた時にホールを見渡して見ると、忙しそうに動いている同じ高校生のアルバイトたちの姿がありました。修業期間こそ地獄の毎日でしたが、その頃はすっかり慣れていて「焼き場って楽だな」と感じていました。
動き回る事もないし、酔った客に怒られる事もないし、色々と指示される事もありません。本当に楽なアルバイトだなと思えました。
さらに嬉しかったことは、スタッフの方々に、一目置かれる存在になれたことです。寿司ネタを炙り、寿司ネタを寿司職人さんに渡す時に、「ありがとう」と言われるようになりました。ホール担当のときはそういったことはまずありませんでした。何だか自分が職人として、また、大人として扱われているような気分になり、高校生ながら気持ちが良かったのを覚えています。
高校生バイトの自分を焼き場担当に選んでくれて、感謝の気持ちでいっぱいになりました。最初は、選ばれた時は、本当に嫌だったですけどね。でも、やってみると、楽しいし楽な仕事だし、良いことづくめでした。さらに、たまにお客さんから「美味しかったよ。ありがとう!」などとねぎらいの言葉をいただくと本当に嬉しく仕事にやりがいを感じました。
高校を卒業すると同時に、私はその焼き鳥店でのアルバイトを辞めました。現在は飲食業とは全く違う分野の会社で働いています。ただ、たまに、そのやきとり店でのバイトの日々を思い出しては懐かしく思っています。
   (高校生時代の楽なアルバイト体験談 40代女性)

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