暇すぎる美術展スタッフバイト

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私は大学生の頃に、大学学生課からの紹介で美術展の運営スタッフのアルバイトをしていたことがあります。このアルバイトがあまりに暇で楽すぎました。
その美術展は有名な画家の作品を集めたものではなく、絵を趣味で描いている市民の方々の絵を集めた美術展でした。
美術展の開催期間は5日間。時間は9時から17時の8時間で、その時間に合わせて私のアルバイト時間も設定されました。
アルバイトの仕事内容を聞いてびっくりしたのですが、ただ美術展会場の中の椅子に座っておくだけというもの。座っていて、もし周囲に何かトラブルがあれば対応するといった仕事でした。しかし、美術展でトラブルが起きるなどよほどのことがないかぎりありえないことです。予想通り、アルバイトをした5日間、特にトラブルは発生しませんでした。つまり、本当に椅子に座っているだけの5日間になったのです。
厳密にいうと、初日~3日目までは、来場者にトイレの位置を聞かれて教えるといった場面は数度ありました。しかしその美術展は、来場者数がとても少なく、3日目からは1時間に1組ほどしか来場者はありませんでした。トイレの位置を聞いてくる人も皆無となり、私は椅子にただボーっと座っているだけになりました。
楽を通り越してあまりにも暇すぎました。アルバイトで来ているのに何もすることも無く、同じ姿勢でずっと座っていなければならないので、時間が進むスピードがとても遅く感じました。
私はあまりにも暇ですることがなかったので、3日目の帰り際に、ダメ元で施設担当者に「空いている時間に読書をしたいのですがだめでしょうか?」と冗談半分で聞いてみました。もちろん来場者の方の質問には対応しますと付け加えましたが。
すると、意外にもあっさりと読書を認めてもらえました。
今思えば、担当者の方もあまりに人が入らないので、どうしようかと思っていたのだと思います。
4日目から、私は本を持ち込んでその美術展のアルバイトに行くようになりました。人のいない美術展という環境は、読書をするにはもってこいの環境でした。普段は、あまり本などは読まないのですが、1日に1冊は読み終えるほど、時間が余っていました。そして、何事もなく、5日間のアルバイトが終了したのでした。
美術展スタッフのアルバイトは、することもなくただ座っておくだけの暇で楽すぎるアルバイトでした。しかし、時給は結構高かったです。最終日に現金の入った封筒で支給されたのですが、「何も仕事をしてないのに・・」と少し申し訳ない気持ちになる程でした。
後にも先にも、この美術展スタッフのアルバイトほど、暇すぎるアルバイトは経験することはないと思います。       
                  (20代男性)

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