私はいろいろなアルバイトを経験してきましたが、その多くは人間関係が複雑でした。そんな中、唯一人間関係に悩まなかった仕事は、レストランのホールスタッフのアルバイトです。
私がアルバイトをしていたレストランは、個人経営のレストランでした。平日は繁忙期を除くと、店はガラガラ状態であることが多かったです。そんなお店だったこともあり、平日にホールに立つのは基本的に私ひとりだけでした。
ですから、自ずと仕事中に関わる人といえば、キッチンのシェフか店長に限られていました。いずれも穏やかな人柄の人だったため、人間関係で悩むことはありませんでした。
一方、土日祝日はというと、観光地であるレストランということもあり、平日とはうって変わってお客様の数は多かったです。それに比例してホールスタッフの数も多めに配置していました。
同じ職種のスタッフが数人集まると大抵は、人間関係が複雑になるものです。ただ、意外なことに人間関係は楽でした。
というのは、それぞれ任されている持ち場が適度に忙しいため、他のアルバイトスタッフとコミュニケーションをとる場が限られていたからです。その結果、アルバイトスタッフのなかで派閥みたいなものは形成されることもなく、休日でも特に人間関係で悩むということはありませんでした。
レストランのホールスタッフは対お客様の接客業です。もともと人のお世話をするのが好きだった私は、本当にこの仕事が好きでした。ときどきお客様からクレームをいただくことがあり、それはそれで頭を悩ませた時期もありました。ただ、そんなときは「自分だったらどういう対応されたら嬉しいかな?」とお客様視点で考え直してみることで克服することができました。
クレームにめげることなく、良い意見を聞かせてもらいありがたいという心境に転換できたことで、仕事に対する精神的ストレスもどんどん減っていきました。
幸い、同僚にあたるホールスタッフのアルバイトたちも「お客様の立場に立って考える」という思考の人ばかりでした。ですから、普段はあまり話す機会がないスタッフとも、一体感を感じながら仕事をすることができていたように思います。人間関係が楽で働きやすいなと日々感じていたのです。
後輩が入ってくると「みんなでより良いお店作りをせねば」という責任感のようなものまで芽生えてきました。そのうちに、仕事に対するモチベーションも高まってきて、仕事にやりがいを感じるようになりました。
その甲斐あってか、某有名グルメサイトなどでの口コミも高評価を記録し、来客数も年々伸びていきました。
そんなある日のこと、店長が「去年度から今年にかけての売り上げアップを記念してお店を貸切にしてスタッフのみんなでパーティーをしよう!」とパーティーの企画を立ててくれました。
そのパーティーはとても充実した機会でした。そのときに初めて話すアルバイトスタッフもいたのですが、すぐに打ち解けることができました。またそこでは、他のアルバイトスタッフも私と似た考えを持っていることを知りました。
それぞれアルバイトという立場でありながら、社員さんにも負けないくらいの質のいい接客、お店作りを目指していると肌で感じたのです。そんな素敵な仲間と働くことができていることを再認識し、幸せに感じました。
以上のように、私にとってその個人経営のレストランでのアルバイトは楽な仕事でした。その理由は、ホールの仕事が好きであり、かつ皆の方向性が一致していて人間関係も楽なアルバイトだったからだと思います。
(人間関係が楽なアルバイトの体験談 20代女性)
レストランホールスタッフは楽なバイト
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