私が体験したアルバイトの中で一番楽なアルバイトだなと思ったのは、展覧会の運営スタッフです。よくありがちな派遣会社から紹介のお仕事ではなく、展覧会を主宰する企画会社さんから直接お仕事の依頼をいただいてのものでした。
私がアルバイトとして最初に携わったその展覧会は、造形物に音楽・照明等デジタルな技術を合わせ、テーマに沿った特別な空間を作り出すというイベントでした。私自身、芸術鑑賞が好きでこのような展覧会によく足を運ぶので、その空間にいれるだけでテンションが上がったのを覚えています。
拘束時間は12時ー18時という昼番で、その間に1時間の休憩がありました(勤務時間は5時間)。時給は1000円、交通費も全て支払われるという条件でした。服装はスーツですが、髪色に関してはある程度明るくでも問題ありませんでした。特に事前研修はなく、勤務開始時間である12時からその日の説明を聞き、13時頃、朝番の人と交代して持ち場につきました。
私の持ち場はいわゆる「警備」でした。警備は、展覧会の中に入って混み合った列を整理したり、お客様のなかに造形物を触るような方がいれば注意したりする係でした。その仕事説明を聞いたとき、大変なバイトを引き受けてしまったものだ・・と少し後悔しました。というのは、たくさんのお客さんを整理するのは大変でしょうし、お客さんとトラブルになる可能性もあるという危惧があったからです。
ところが、実際持ち場についてみると、その日が三が日なのもあってかお客様が全く訪れませんでした。当然のことながら、混み合うこともなく、完全なとりこし苦労でした。そもそもが自由に移動できる展覧会のため誘導をする必要もないので、いきなり暇になりました。それに加えて、そこそこ狭い会場だったため私の持ち場には私一人しかいませんでした。ですから、誰にも気を使わずあくびをしたり伸びをしたりととにかく自由に暇つぶしをできました。
お客様の様子を見るために一応は会場内を見回るわけですが、そもそもお客様もいないので美しい展示物を鑑賞し放題。立ちっぱなしの仕事であるため少々足が疲れてしまいますが、1時間ごとに代わりの人がきて休憩させてくれたので回復できました。その休憩の時間にも給料が発生しているのだから驚きです。
私は元々美術に興味があったため、1時間で1000円を稼ぎながら展示物の細部まで鑑賞することができるだけで大満足でした。会場内を廻っていないときは、あの展示物にはどのような意味があるのだろう?などと考えをめぐらせ妄想にふけるのも楽しかったです。
以上のように、展示会の運営スタッフバイトはとにかく楽なアルバイトです。美術が好きな私にとっては楽しいアルバイトでもありました。一度、企画会社にイベントの運営スタッフとして参加して問題なく仕事をこなせば、また新しいイベントがあったときに連絡をいただけるようになりました。
展覧会にも色々な種類があるので、飽きが来ないという点も良いと思います。展覧会に興味がある方、ぜひ運営スタッフのアルバイトを経験してみてはいかがでしょうか。
(楽なアルバイトの体験談 20代女性)
美しい展示物を5時間鑑賞するだけのバイト
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