冬場のレストランスタッフは暇すぎた

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以前、派遣会社に登録し短期間の仕事を中心にしていたことがあります。そんな時期、派遣会社から、ある楽すぎる仕事を紹介されました。
それは、山にあるレストランでの仕事でした。契約期間は3ヶ月。私はレストランのサービススタッフとして雇われ、接客を中心に担当することになりました。
レストランスタッフといえば、忙しくて大変な仕事だというイメージがありました。実際のところ、近所にあるレストランではスタッフの人々は本当に忙しく働いていたからです。私はどちらかというと、トロくて体力がある方でもありません。本当に3ヶ月も勤まるのかな・・?不安でいっぱいになりました。
しかし、それは取り越し苦労だったと分かりました。派遣先として紹介されたレストランでの仕事は、楽ちんそのものだったのです。
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私が派遣されたのは、山の上にある割と大きめのレストランでした。春・夏・秋は登山客や観光客がたくさん訪れてかなり賑わっていました。
しかし、冬場は本当にお客さんが来ず、冬の3ヶ月だけ働いてくれる人を毎年募集しているそうです。そこに飛び込んだのが私だったということです。
冬以外の期間はがっつり働きたい人を期間限定で採用し、冬の3ヶ月は営業時間が短くなけどそれでもいいという人を採用していたのだとか。
私は特にがっつり働きたいという希望もなく、むしろ、給料は安くていいから楽な仕事をしたいと思っていました。また、北国の出身であるため、寒さや豪雪など慣れているので、極寒の地でも特に抵抗もありませんでした。ですから、そのレストランスタッフの仕事は正に適任でした。
冬の山の上は本当に寒く、時折見かける登山客以外誰も歩いていませんでした。そんな時期だけに、レストランは当然のことながら閑古鳥状態でした。平日は一日に1組か2組のお客さんしかいらっしゃいませんでした。ですから、私たちレストランスタッフたちは、やることがなくてとにかく暇になっていました。といって、仕事である以上、何かをしなくてはならないという義務感がありましたし、ものすごく大胆な掃除をして時間を潰していました。
例えば、レストランの玄関先にドンと脚立を置いて、電灯の中を磨いたり、お店の真ん中にあるエアコンを取り外して磨いたりするわけです。お客様が来ないことを前提に掃除をしていく感じです。
とにかく暇で時間だけ膨大にあるので、こんなところもするの?っていうところまで掃除をしていき、時間が過ぎるのをひたすら待っていました。こんな調子で、来る日も来る日も掃除ばかりしていたものですから、冬場の営業が始まってから2週間もすると掃除をするところがなくなってきてしまいました。
掃除をする場所がなくなった私たちは、「次何しようか?」と相談し合いました。そこでやることになったのは雑誌の回し読み&メニューのアイデア出しです。
社員さんが夏の新メニュー作りをするための参考資料として買ってきたカフェやレストランのたくさんのっている雑誌を「勉強のため」と称して回し読みをしていくんです。一応新メニュー作りのための勉強なのです。お互いに雑誌に目を通しながら、「こんなのがいい」「こういうドリンクがおしゃれ」などと意見を出し合いました。
ただ、1日中そればかりやっていると、その日のうちに新メニューが決まったり、アイデアがまとまってしまいそうでした。今後することがなくなるのも困るので、「いいアイデアが出ない」「アイデアがまとまらない」と言いながら何日も同じ雑誌を読んでは時間をつぶしていました。
結局3ヶ月の派遣期間のうち、接客したお客様はたった20人ほどでした。ですから、接客はほとんどしませんでした。その代わり、レストランをピカピカにしたり、短期のアルバイトながら新メニューの開発に携わらせていただくなどしました。それなりに充実した3ヶ月を過ごすことができたと思います。
それから季節が流れ、私はその山のレストランに、次はお客として訪れる機会がありました。季節は夏でした。すると、私が働いていた冬とは全く別のお店のように賑わっていました。登山客や観光客で座席もびっしり埋まっていて、座るのに40分くらい待ったほどです。そして、レストランスタッフたちはとにかく忙しく働いていて大変そうでした。
こんなに忙しい時期に働いていたら体力的に持たなかっただろうなと思いました。特にねらって冬場の時期を選んだわけではありませんが、いい時期に働くことができてラッキーっだったなと思いました。
  (楽な派遣の仕事の体験談 30代女性)

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