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座っているだけ!美術館の監視員バイト





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10年ほど前、私がまだ短大生だった時に、夏休みの期間限定で美術館監視員のアルバイトをしたことがあります。アルバイトの時給は1000円ほどで、当時の大学生・短大生の学生アルバイトの時給も、かなり良いほうでした。
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箱根にある美術館で施設は結構広く、展示場が何室もある施設でした。その施設を1時間単位で巡回しながら監視をするというのがアルバイトの内容でした。
美術品が展示してある各部屋には監視員用の椅子や机があり、座っていても立っていても自由。お客さんが美術品にふれたりしないように監視するのがお仕事です。あとはごく稀にお客さんに何か質問されたら、答えたり誘導したりします。といっても、聞かれることはトイレの場所くらいのものでした。
屋外の展示がメインの美術展示だったので、雨の日は特に来場者が少なく、1時間の間にお客さんがひとりも来ない時もありました。そんなときもやる仕事は全く同じでした。誰も来ない美術館の一角でじっと座っているのは孤独ではありましたが、接客が苦手な私にはとても向いているアルバイトでした。「こんなに楽なバイトもあるんだなあ」と感動したものです。
監視員用の机があるフロアでは、日誌があり、監視員が自由に書き込むことができました。好きなことを各々書き込んでいました。交換日記みたいで楽しかったです。アルバイトで来ていた仲間は、ほとんど同じ年くらいの大学生・短大生ばかりで、サークル仲間みたいで楽しかったです。
お昼の休憩時間には、アルバイト仲間と一緒にお弁当を食べました。年も皆近かったので、話もはずみました。アルバイト仲間たちに在籍中の大学を聞くと、早稲田や慶応といった高学歴の大学生も結構いました。普通のバイトではそういう人には会わなかったので、高学歴の大学生がそろっていることに、皆不思議がっていました。私は当時美術短大に通っていたので、普段知り合うことがない他校の大学生に触れ合えたことも良かったです。他の大学の事情も聞けたので、色々とためになりました。
美術館へ通勤するのも、ほとんどの子が電車を使用していました。箱根登山電車に1時間弱くらい乗るのですが、その行き来もバイト仲間とおしゃべりして、楽しかったです。今から考えてみると、この美術館監視員のアルバイトは、短大の時にバイトした中で一番楽しかった楽なバイトでした。
私は短大では美術を専攻していたので、美術品に毎日ふれあうことができて、そういった意味でもためになったと思います。楽な仕事を求めている人、とりわけ美術が好きな人には特にお勧めです。また、接客が苦手な人にも、監視員のバイトならあまり人と関わる事がなく人間関係が楽なので安心だと思います。
仕事中は座っていても立っていても自由。仕事中はただボーっと暇つぶしをしているのが仕事のようなものです。コンビニやスーパーのレジやレストランの接客のお仕事よりもずっと楽な仕事だと思います。
 (楽なバイトの体験談 30代女性)

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