私はインテリア・建築関係の専門学校卒業後、材木店の設計部に就職しました。
人間関係や自分の適応能力の無さに悩み、1年経たないうちに辞め、
地元に戻り、現在は両親の営む飲食店で働いています。
辞めた木材店についてですが、会社全体では10人ほどの社員で運営される小さな会社でした。
設計部だけ建物が別で、設計部は専務と私の2人だけという環境でやっていました。年に10棟程度の住宅設計をしていました。
設計が2人しかいないということで、やらなければいけないことは沢山ありました。
私は学生時代にアルバイト経験も無かったため、学生から社会人へのギャップにまず苦労しました。
また専門学校時代には資格取得のための勉強はしていたものの、実務経験が全くなく、専務からも、「学校でも、少し実務経験させれば良いのに」と嫌味を言われました。
今思えば、本当に仕事の出来ないダメ社員だったと思います。仕事でもミスが続き、終いには専務とお客様に鼻で笑われてしまいました。
その後、耐えられなくなって会社を辞めました。といっても上司を責める気持ちはなく、ゆとりと言われてしまっても仕方がないなと思いました。
辞めた時は自分のデキなさに本当に落ち込みました。
ですが、隣で仕事をする専務を見ていると、なんだかこうなりたくないといいますか・・将来に不安を覚えました。
専務は頻繁に携帯電話に仕事の電話がかかってきて、掛け持ちしていた現場に出向。終業時間までには戻らず。夜中まで仕事をしていたこともしょっちゅうでした。
私もいつか仕事を任せてもらえるようになった時には、この時間まで働かなくてはいけなくなるのかな・・・と不安になりました。
二人きりという環境も良くなかったのかもしれません。一番そばにいる専務に冷たい態度を取られてしまい、ストレスで心がまいってしまいました。
辞めた後は、逃げるようにその土地を離れ、地元に帰り、5日ほど家に閉じこもっていました。
すると、両親の営む飲食店で20年近く働いてくれていた女性が、病気のため、急に退職することになりました。
そこで私に白羽の矢がたち、その日から両親の店で働くことになりました。
高校生の頃、料理を盛る手伝いをしたことはありましたが、今までしたことがなかった接客を担うことになりました。
マニュアルがなかったので、もう手探り状態です。メニューはどうやって説明しよう、お金はどうやって渡せばいいんだ?など、毎日不安ばかりでした。
ですが、お客様から「ごちそうさま。」「おいしかったよ。」「笑顔がいいね。」などと声をかけてもらえるようになると、だんだん接客が楽しくなってきました。
それからは、どうやったら快適に食事をしてもらえるかなとか、料理を出すときは一言添えようかなとか、自分で工夫して仕事をするようになりました。
また、聴覚障害者の方がたまに見えるので、簡単な手話を覚えてコミュニケーションをとることもはじめました。手話が通じたときは、本当に嬉しく思ったものです。
給料ははっきり言って安いですし、身体的に大変な時もありますが、以前働いていた時よりも楽しく仕事が出来ています。
大変な中でも自分なりに工夫して、楽しみを見つけていくことが、
仕事をするうえで大切なのかなぁ、と最近になって分かってきたところです。
これからも頑張りたいと思います。
(転職の成功体験談 20代女性)