私は大学生のときにいろいろなアルバイトを経験してきました。売店スタッフ、コンビニバイト、飲食店ホールスタッフ、塾講師、旅館スタッフなどなど。そのなかで、意外と楽なアルバイトだと感じたのは、映画館スタッフのアルバイトです。
「興行収入○○億円」「総人数〇〇千人突破!」みたいな話題の大ヒットの映画が公開されると テレビではしばしば映画館で大行列ができる場面が放送されます。最近なら『永遠の0』『君の名は。』みたいな作品です。すると、映画館スタッフのアルバイトは忙くて大変なバイトなんじゃないかというイメージを持たれがちです。
確かに、そういった大ヒット映画が上映される期間の土日祝となると、大勢のお客さんがいらっしゃるわけで、大行列ができるような場面もありました。そのときは、短時間で次から次へとお客さんをさばかないといけないので忙しいのは確かです。ただ、そのような忙しい状況が発生することは映画館の社員さんたちはあらかじめ予想しているわけで、アルバイトスタッフを多めに配置するなどして対応していました。
また、映画館の規模にもよると思いますが、私のアルバイト先の映画館の場合、役割分担がしっかりとなされていました。映画チケットを販売するスタッフ、ポップコーンをつくって販売するスタッフ、ドリンクをつくって販売するスタッフ、オリジナルグッズ販売コーナーのスタッフ、清掃スタッフ、チケットも切りスタッフなどなど。自分に与えられた作業を淡々とこなしていくだけでよかったので、仕事が楽だと感じました。
その日にどの役割を任されるかはアルバイト当日に、全体を統括する社員さんから指定されていました。いろいろ仕事が複雑そうな映画館での仕事も、ひとつひとつの仕事に分けてみれば、どれも単純作業にすぎません。作業自体、同じことの繰り返しなので、ひととおり仕事内容を把握したらあとは頭を使うこともなくスイスイできてしまっていました。
忙しいときは、例えれば、駅ナカの飲食店バイトや売店スタッフと似たような感じだと思います。そんな映画館スタッフのアルバイトをどうして私が楽なアルバイトだと感じたかと、勤務時間トータルでみたとき、暇な時間帯が長いからです。
というのは、映画館でお客さんが殺到するのは、基本的に観たい映画が始まる直前だけだからです。いざ映画が始まってしまえば、今までの人々の波が何だったんだろうか?と思うほど、フロアは閑散としてしまいます。シーズンが終わって誰も人がいない海水浴場のようなものです。そうなると、当然のことながら、アルバイトスタッフたちはやることがなくなります。ただボーっと立っているか、近くのスタッフとおしゃべりをするかというラクな状況になっていました。
映画館でアルバイトをしているのは、私と同世代の大学生・短大生が多かったので、人間関係も楽でしたね。しかも皆、映画好きとあって、映画の話、大学生活の話など話題に事欠きませんでした。アルバイトというと上下関係が厳しくピリピリしたムードの職場も少なくないでしょうが、私のアルバイト先である映画館の場合、仲良しグループのような雰囲気でした。お客さんが多くなる時間も、みんなで乗り切ろうという空気感があり、ストレスもほとんどたまることがありませんでした。
次の映画が上映される時間が迫ってきてお客さんが集まってきたら、背筋を伸ばして仕事に励むのです。が、その波が去ると、リラックスして暇な時間を自由に過ごす。そんなメリハリの効いたアルバイトでした。なお、土日祝日や夏休みほか長期休みを除くと、人気映画であってもお客さんの数はそう多くはありませんでした。イメージ的には映画館スタッフは忙しくて大変なイメージを持たれがちですが、実際にやってみると暇な時間が多く、意外と楽なアルバイトでした。
ちなみに、私が映画館スタッフのアルバイトの役割のなかで一番気に入っていたのは、チケットもぎりでした。ゲートの前に立ち、お客さんからチケットを受け取り半券をもぎってお返しするというのがその仕事内容です。これからいよいよ映画が始まる!という期待感に目を輝かせたカップル、ご夫婦、家族連れ・・。そんなお客さんを現実世界から、映画の世界へ橋渡しをする役目がチケットもぎりなんだと私は考えていました。
「〇番スクリーンです。ごゆっくりどうぞ」と笑顔でお客様を送り出す。その作業はなんともすがすがしいものがありました。しかも仕事が楽で簡単。チケットの半券をもぎって渡すのを繰り返すだけですから。忙しい時間は映画が始まる直前のみで、いざ映画が始まってしまうと、ただぼーっと立って暇つぶしをしているだけで勤務時間が過ぎていきました。
(楽なアルバイトの体験談 20代女性)
映画館スタッフのアルバイトは意外と楽
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