私は大学を卒業後、やりたい仕事を見つけるために数年間フリーター (無職期間有)として過ごした後、地元に戻り就職しました。
就職した企業は保険関連の企業で、多岐に渡る事業を展開していました。私の地元においては安定した大企業と言われるところでした。
就職した理由は・・表向きは「保険に関心があり、人の生活を助けるから」というものでした。しかし、それは面接のときに言った表向きの理湯であり、本音を言えば、自らの意思というよりは、親の薦めがあったのと自分自身も焦っていたため、流れで就職してしまったような感じでした。
ただ、最終的に決断したのは自分自身なので、入社したらしっかり仕事をやろうと入社時には思っていました。
しかし、入社してからすぐにその思いは変化しました。
任命された仕事が保険の営業だったのですが、キツイことキツイこと・・
多岐に渡る事業の中で、最も過酷と言われる部門だったので、以前からその辛さは耳にしていましたが、まさか入社してすぐの自分がそれに任命されるとは思いませんでした。
しかも何も知らない状態からの仕事だったため、その負担は想像以上に大きいものでした。それでも、やっていくうちに慣れてきて、モチベーション高く仕事が出来ると甘く考えていましたが、現実はそれとは全く別ものでした。
「まずは、あいさつも兼ね、自分の担当エリアを全戸訪問しろ」と上司から命令が下りました。それはそれで大変でした。ただ結果的に数ヶ月くらいしたら、お客様に顔を覚えていただき、いろいろ保険関係以外でお願いされる事も出てくるようになり良かったとは思いました。
しかし、大変なのはここからが本番でした。まず、保険の営業対象である若い人たちが地元には少ないのです。ですから、仕事の休みの日を聞き出して訪問したりする必要がありました。
私としては休みの日に保険営業の話を聴くために時間をとってもらうのは何だか申し訳ないなという思いがありました。
さらに、週のミーティングや月に1度の全体ミーティングにおいて、それぞれの営業成績をだされ、ノルマに対する進捗率を問われました。これは本当に嫌でしたね。
ノルマを達成できなければ個別に専務や部長との面談がり「なぜ出来ないか!?」と厳しく問いただされました。
元々、保険という商品のすばらしさを理解できないところがあるというか抵抗があり・・自分の成績の為にお客様に保険を押し売りしているようなところが嫌でした。
自分の考えや思いと保険の営業という仕事が、あまりにもかけ離れてきて、その中でお客様に保険を売るなんて失礼だと後ろめたく感じるようになりました。そして成績を問われる日々にも耐えられなくなり、徐々に仕事に行く気力がなくなっていきました。
確かに、成績の良い月もあり、なんとか頑張って続けようとと思った時期もありましたが、結局は約2年半の間働き、約半年ほどうつ状態になったため、約3年間勤め退職してしまいました。
その後、様々な面接を受け、なかなか合格出来ない期間もありましたが、今現在は小売業で接客の仕事をしています。
その小売業の会社では小規模ではありますが、年齢が近い人も多く、皆がすごく優しく丁寧に仕事を教えていただけます。また何よりも、扱っている商品がお客様の幸せに役立っていることを認識できるため、変なうしろめたさを感じることがなくなりました。特にノルマもありませんし、毎日楽しく仕事をできるようになりました。転職をして本当によかったです。まさに大満足です。
以上のように私の転職してよかったと思ったのは、「お客様に販売したいと思える商品を扱っている」「成績(ノルマ)がない」の2点だと思います。転職活動・就職活動において、どうしても会社の規模や知名度、月収などから受ける企業を選びがちですす。しかし、私は自身の経験から「自分を活かせる仕事を選ぶこと」が本当に大切なことだと痛感しました。
人生の大半を仕事に費やす訳なので、少し悩む時間が長くても、じっくり仕事選びをし、意欲を持ち続けることが出来る環境を見つける事が重要だと思いました。
(転職の成功体験談 30代男性)