私は現在、病院前の調剤薬局で働く40代女性です。以前は派遣薬剤師としての雇用形態にこだわってきました。どうして派遣薬剤師という働き方を選んできたのかというと、新卒で正社員として入社した調剤薬局ではいろいろな意味で最悪だったからです。
まずは人間関係。非常にドロドロしていて陰口、精神的なイジメが絶えない職場でした。そして忙しすぎる現場・・皆イライラしていて、残業も多かったです。この薬局でこれから10年、20年と働くのかな・・と考えると、目の前が真っ暗になっていたのを思い出します。
そこで転職活動をこっそりしていたのですが、どんな職場なら毎日快適に過ごせるのか分かりませんでした。
そんなとき、たまたま大学の同期が派遣薬剤師として働いているという話を聞きました。久しぶりに再会して話を聞くと、その同期も私と同じような悩みを抱えていて派遣という働き方を選んだのだと話していました。
彼女曰く、派遣薬剤師としての働きかたは、その悩みを解決するための道なのだとか。
私はそんな同期の話に非常に惹かれ、数日後に彼女と一緒の派遣会社に登録。紹介予定派遣という形で病院前の調剤薬局で働くことになりました。
その調剤薬局では正社員が総合的な役割をするのに対して派遣薬剤師はどちらかというと限定的な作業のみ行っていました。
どうして限定的な作業しかさせてもらえないかというと、ネガティブな表現でいうと派遣薬剤師は信頼度が低いからだと思います。仮に仕事ができるベテランさんであっても、派遣は派遣。あくまでも外部の人間にすぎないため、どうしても責任のある仕事は正社員が行うものだという暗黙の了解があるのです。
そういった派遣薬剤師の置かれた立場について、人によっては、非常に疎外感を感じるようです。
ただ私の場合、仕事は生活の糧を得る手段として考えていましたし、もうひとつの大きな目的があったので全く苦になりませんでした。
もうひとつの大きな目的、それは、自分にとって「理想の職場を見つける」ということです。
紹介予定派遣の場合、期間があらかじめ決まっていますから、正社員と比べると密な人間関係はあまりありません。
ですから、もし自分に合わない職場であれば決められた派遣期間を我慢するだけで済むわけです。
ちなみに私は派遣社員として4か所の現場に行きましたが、3つは人間関係のドロドロが見えてしまい、正社員になる道は断り3か月の契約で終了しました。
紹介予定派遣制度を使って派遣された派遣社員はいってみれば「お試し期間」ということになります。
それは捉えようによっては、「職場を見定める猶予期間」と捉えることもできます。
実際に働いてみて自分と合わない職場なら契約期間のみで終了。一方、自分に合う職場だと思えば正社員に登用される道を選ぶことができるというわけです。
実際に現場を見て自分の合う職場を探すことができる。それが派遣薬剤師としての働き方の最も良いところだと私は思いました。
どれだけ条件が良くても施設が立派でも、いざ現場で働いてみなければ自分に合うかどうかは判断つかないもの。
私は4つ目の派遣先で自分のに合った理想の職場を見つけることができました。
一度正社員になると、なかなか簡単には辞めることはできません。ですから、派遣薬剤師のポジションでじっくりと自分にとって最適の職場を探すというのもありだと思います。
(薬剤師の転職 40代女性)