小論文添削のアルバイトは在宅でできる自由度の高いアルバイトのひとつということで人気があります。小論文添削のアルバイトは難しそうだし、資格や知識がいるのでは?と思われている方も多いかと思います。
以前、小論文添削のアルバイトをした経験から、私になりにどのような人が採用されているのか、資格や知識は必要なのかなどについて書いてみたいと思います。
「どのような人が添削バイトに採用されているか」
私が在籍していた小論文添削会社では、添削スタッフとして採用されていたのはほとんどが主婦の方々でした。一部は学生さん(大学生、大学院生)もいらっしゃいました。そのうちの数人を挙げてみたいと思います。
Aさん(60代主婦):結婚前は中学校で国語の先生をしていた。教師経験を生かせればと思い添削バイトを始める。予備校講師の経験もあり。
Bさん(50代主婦):以前、雑誌編集の仕事をしていた。本を読むのが好きで子育てが一段落したのを機に小論文添削バイトに応募した。
Cさん(40代女性):結婚後は主婦兼グルメ系のライターをしながら小論文添削のアルバイトもスタート。大の本好きで新聞も毎日読んでいる。
Dさん(20代女性):国立の理系大学院に通いながら添削バイトもこなしている。大学受験の後期試験対策として小論文も勉強した。
小論文添削バイトを始めるには、特に資格は必要ありません。ただ、採用試験においては、漢字が正確に書けるかどうか、適切な文章を書けるかなども判定されるため、必然的に学のある人が多くなります。大体は何らかの形で文章に携わる仕事をしてきた人が、私の知る限り多かったです。
「小論文添削バイトを始める動機について」
小論文添削バイトを始める動機については人によって違っているかと思います。大体以下の理由に分かれると感じました。
➀育児が落ち着いて何かやってみたい
②在宅でできるアルバイトをしたい
③生活費の足しにしたい
④小論文が好き
私の場合、小論文添削バイトを始めようと思った動機は③だったのですが、意外と③は多くないような感じがしました。というのは、周囲の人々は生活に余裕がありそうな人が多かったからです、
例えば、見るからにお金持そうな主婦の方(50代)は旦那さんがクリニックを経営されていました。ブランドものをたくさん身につけていて、私の目からすると、どうしてこんなに生活に余裕がある人が小論文添削バイトのような安い賃金でアルバイトをしているのかな?と疑問に感じたものです。しかも10年ほど続けているというのです
ある日、その理由を本人から聴く機会がありました。その方は次のように回答してくれました
「そうですね。小論文が好きで、この仕事をしていると幸せを感じるんです。気づいたら長く勤めていますね」
小論文が心底好きなんだなあということが伝わってきました。逆に言うと、小論文が好きでなければなかなか長くは勤まらない仕事であるとも思います。その理由について以下、触れてみたいと思います
「小論文添削バイトに適性のある人とは」
小論文添削バイトは向いている人、向いていない人がいると思います。向いている人はどのような人なのか6つの要素に分けて書いてみたいと思います。
➀基礎的な国語力がある
②ミスを発見できる(注意力がある)
③文章を読むのが得意(小論文が好き)
④仕事に波があり報酬が低くてもOK
⑤計画的に作業をできる
⑥几帳面で文字がきれい
⑦勉強好き
それぞれについて簡単に説明したいと思います。
➀基礎的な国語力がある
業務上、小論文添削には基礎的な国語力は問われます。漢字の読み書きができること、(コメントをできる程度の)正しい文章が書けることは必須だといえるでしょう。採用試験においてもその能力が採否の大きな判断材料になると考えらえます。
生徒さんが書いた答案以外にも、お仕事が始まれれば、採点基準となるマニュアルも読み込まなければなりません。マニュアルには大量の文字が書かれていますから、国語力がなければ、仮に採用になっても辛くなると思います。
②ミスを発見できる(注意力がある)
小論文添削バイトでは、生徒さんの答案を読んで添削と採点を行うわけですが、まずチェックするのは誤字脱字の有無です。誤字があれば―1点といったふうに採点するため。、そういったミスを確実に発見できることが求められるわけです。
③論理的な文章が得意(小論文が好き)
小論文は主張したいことがらを、筋道を立てて論証していく文章です。小説のようにスラスラと読める文章は少なく、どちらかというと根拠を確かめながら硬い文章を読む時間が長いです。ですから、そういった文章を読むことに抵抗のない人が向いていると思います。
文章を読むのが好きだからといって小論文添削に向いているとは限らないというのはそこあたりにも要因があるのではないかと思います。
④仕事に波があり報酬が低くてもOK
小論文添削バイトの報酬ははっきり言って安いです。しかも、季節によって波がある仕事で、忙しいときは徹夜で作業をするほどなのに、仕事がないときは1週間で数枚の答案しか渡されないときもあります。
そういった条件でも問題ないという人は小論文添削バイトに向いているかもしれません。一方で、小論文添削バイトで生活をしていこうとすると、何かと苦しくなると思います。本業として考えるのではなく、副業として考えるのが妥当な仕事だと思います。
副業としては私なりに条件は悪くないと感じていました。なぜなら、自宅で好きな時間にできる仕事ですし、答案の枚数についてもは、基本的には本人の希望で調整してくれたからです。長期旅行に出かけたときなどは、答案枚数0でも嫌な顔ひとつされませんでした。
⑤計画的に作業をできる
小論文添削バイトはまとまった答案を渡され、納期までに添削・採点作業を終えて答案を返却しなければなりません。つまり納期をきっちりと守れることが重要になるわけです。
1枚を添削するにはそれなりに時間がかかりますから、「1日〇を添削する!」といったように、計画的に作業を進めていける人が向いているのではないでしょうか。私の場合、納期の1日前は何かあったときのためにフリーにしておき、それまでに決められた枚数の添削・採点作業を確実に終えるように計画を立てて作業をしていました。
⑥几帳面で文字がきれい
小論文添削バイトでは生徒さんが作成した答案に赤ペンで文字入れをします。その文字入れ作業は、大体は、良い部分を褒め、足りないところのアドバイスをするというものです。
その赤文字をもとに生徒さんは今後の課題を見つけていくということになります。ですから、添削者に求められるのは、誰にでも読めるきれいな文字を書くということが求められます。必ずしも達筆である必要はありませんが、誰にでも判別できる文字を書けるというのは必須といえるでしょう。
一方で、答案をきれいに扱うということも求められます。渡された答案は折れ曲がらないようきっちりと管理し、きれいな状態で返却する必要があるのです。
⑦勉強好きであること
小論文のテーマは多岐にわたっています。例えば「地球温暖化」、「環境問題」、「食糧問題」、「貧困問題」、「生きがいについて」、「優先席について」、「将来の夢」、「仕事について」など。
なかには、普段から新聞などで平素から基礎知識を得ていなければなかなか対応できないテーマもあります。つまり、時事問題を中心にさまざまなテーマに関心があって、勉強をすること自体が好きな人が小論文添削バイトに向いているのではないかと思います。
とはいえ、対象となるのは大学受験を想定した高校生までですから、専門的な知識までは必要ありません。相当な知識が求められる難易度の高い答案についてはアルバイトスタッフには基本的には廻ってきません。
(まとめ)
小論文添削バイトに採用されているのは、主婦層をメインに一部は大学生、大学院生です。主婦の方々の前歴としては、元学校の先生や元編集者など何らかの形で文章に携わっていた人が多いです。小論文添削バイトをはじめる際に資格はいりませんが、知識については最低限の国語力や時事に関する知識はある程度必要。その他、丁寧に答案を扱えることやきれいに文字をかけることなども求められます。